
登場人物:
一ノ瀬 彩(いちのせ あや)
高校2年生(17歳)内向的で感受性豊か。自己表現は「言葉」ではなく「絵」だった。
趣味/特技:水彩・油彩・デジタル画。空と光の描写にこだわりがある。
英語との距離感:「絵に関係ない」と遠ざけていたが…?
夢:海外の美術大学に行きたい――でも英語が不安で口に出せなかった。
東雲 遥(しののめ はるか)
彩の高校の、美大に進学した先輩
彩にとって憧れの存在。無口だけど絵のセンスは飛び抜けていた
英語の成績も良かった印象があったが、「なぜか」は知らなかった
ある日、その先輩が描いた作品に添えられた英語のキャプションを見て――
彩の中で何かが動き出す…!
彩(モノローグ)
「そういえば、あの先輩――英語も得意だったな。…なんでだろう?」
「絵に関係あるのかな……?」
第1話「青のはじまり」
美術室の窓辺。夕陽が差し込む時間、彩は一人、筆を走らせていた。
薄く淡い青から、徐々に群青へ。
キャンバスの上で空が広がっていく。
「……あの雲、もう少し透明感がほしいな」
つぶやきながら、彩は筆を止めた。
自分の世界にだけは、正直でいたい。
ふと、誰かが背後から声をかけた。
「相変わらず、空がうまいね」
振り返ると、見覚えのある横顔があった。
先輩――東雲 遥。昨年卒業して、美大に進学した人だ。
「先輩……!」
声が少し上ずる。美術部の中でも、特に静かで、でもどこか輝いていた先輩。
彼女が描く絵には、いつも“物語”があった。
「卒業展、見てくれてありがとう。彩の絵、すごく印象に残ってた」
遥はにこりと笑った。
「いま、美大の企画展の準備で戻ってきてるんだ。ちょっとだけ展示もあるよ」
「えっ、ここでですか?」
「うん。よかったら、放課後、見に来て」
放課後。
旧図書館の一角、特別展示室に彩は足を運んだ。
そこにあったのは、先輩の新作――
《silent blue》と題されたキャンバスだった。
広がる夜明け前の海。
群青に染まる空と水面。その端に、小さく人影が立っている。
美しい。けれど、それだけじゃない。
――その隣に添えられていた、一文の英語に、彩の足が止まった。
“This is the reason why I decided to try a new method.”
彩の心に、ざわりと風が吹いた。
「……あの先輩、英語も、得意だったっけ?」
いつも静かだったあの背中に、
こんな言葉が隠されていたなんて。
「英語って、ただの授業の道具じゃないの……?」
思いもよらなかった“色”が、
彩の中に差し込んでくる。
空の青に、新しい色が重なる。
「彩の英語」が、まだ白紙のキャンバスの上で、静かに動き出した。
(第2話へつづく)
「アートと英語が交わる場所で――」
この物語の主人公・彩は、美術大学を目指す高校生です。
絵を描くことが大好きで、色や線で自分を表現することは得意。でも、英語はどこか「自分と遠いもの」だと感じていました。英語の長文を読むのに時間がかかり、リスニングは音が流れていくだけの「雑音」に思えてしまう――そんな彩が出会ったのが、「直聞直解法」と「直読直解法」というまったく新しい学びの世界でした。
アートは「感じて」「表現する」もの。
英語もまた、「訳す」のではなく、「感じて」「伝える」もの。
この物語では、英語を“言語”としてではなく、“アート”としてとらえ直すことで、苦手だった英語が「彩自身の表現の一部」になっていく過程を描いています。
この物語は、英語の偏差値を上げるためだけの物語ではありません。
“自分の感性と言葉をつなげる”ための、新しいアプローチの記録です。
あなたの夢が、音楽でも、美術でも、料理でも、舞台でも。
どんな分野であっても、英語は必ずその夢を広げる“道具”になる。
それを、彩の物語を通して伝えたいと思いました。
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