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ゆずと英語の魔法 第12話「魔法の旅のつづき」

あき先生

ゆずと英語の魔法 第12話「魔法の旅のつづき」

英語で生きる力を、私たちに〜

春の風が校舎を吹き抜ける午後。
3学期の終わり、ホームルームの後。
ゆずはひとり、窓際の席でノートを見つめていた。

そこには、英語で書かれた文章があった。
すべて、自分の言葉、自分の気持ちで綴ったもの。

“Learning English used to be scary.
But now, it feels like a part of me.”

いつのまにか、英語は「勉強」から「表現」へと変わっていた。

そこへアキ先生が静かにやって来て、隣に座った。

「ゆず、英語、楽しんでるね」

「はい……怖くなくなりました。
間違えても大丈夫って思えるようになったんです」

「それが、一番大事なことだよ」

先生は少し空を見上げて、続けた。

「これから、受験やその先の人生で、英語が必要になる場面は何度もある。
でもね、英語を“自分のもの”として感じている人は、そこで迷わない」

ゆずは、静かにうなずいた。

「英語の“魔法”って、言葉が通じるだけじゃないんですね」

「うん。“世界が広がること”。それが、本当の魔法だよ」

——そう、ゆずは思った。

ただ点数のために英語を覚えるのではなく、
ただ文法を正確に訳すのでもなく、

自分の気持ちを英語で言ってみる
相手の言葉を英語でそのまま受けとめる
——それこそが、これからの時代に必要な「英語の力」なんだと。

放課後。
ゆずはノートを閉じて、教室を出た。

校門の向こうに広がる空のように、
英語でつながる未来が、自分を待っている。

“Now, I’m ready.
Let’s go to the world beyond the words.”

それは終わりではなく、
新しい旅のはじまりだった。(完)

 


 

【エピローグ:読者へのメッセージ】

この物語は、フィクションでありながら、
日本の英語学習者すべてに贈る“リアル”です。

かつて自分自身が浪人生として英語学習で体験したことを高2女子生徒のゆずとして物語にしてみました。物語の中では、私はアキ先生として登場しています。

訳さずに、感じる英語。
英語を英語のまま理解する「直聞&直読直解法」は、
誰にでもできる、新しい学び方です。

あなたの中にも、英語の魔法はきっと、芽生えています。

——ゆずのように、一歩を踏み出してみませんか?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

――「英語」は、才能じゃなくて“方法”だった。――

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この物語に登場する学習法は、決してファンタジーではありません。
英語を英語のまま理解する「直聞・直読直解法」は、すでに実践され、成果を上げている現実のメソッドです。

共通テストの英語は、塾では毎年リスニングとリーディングでそれぞれ100点満点が続出しています!中には合計200点満点も生徒もいます。また、ほとんどの生徒がリスニングとリーディングそれぞれ90点以上、合計で180点以上取っています。

今も多くの高校生が、「訳して理解する英語」の中で苦しんでいます。

でも、英語は本来、もっと自然に、もっと速く、もっと楽しく理解できる言語です。
それを実感したとき、英語の見え方も、世界の見え方も変わるはずです。

これからの学びが、あなたにとって“使える本物の英語”との出会いになりますように。
また次の物語でお会いしましょう。

 

 

ゆずの後日談「最初は、私も“英語って暗号みたい…”って思ってました。でも、英語をそのまま感じる方法があるって知ってから、ほんの少し自信がついたんです!」

 

 

 

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ゆずと英語の魔法 第11話「英語で夢を見た日」

あき先生

ゆずと英語の魔法 第11話「英語で夢を見た日」

ある春の夜。
ゆずは、少し疲れてベッドに倒れ込むように眠りについた。
テスト勉強で詰め込んだ英単語、聞き取れるようになってきたフレーズ、アキ先生との対話……
さまざまな言葉が、頭の中をふわふわと漂っていた。

……そして、その夜——
ゆずは夢の中で、英語の世界に立っていた。

―――

夢の中。
海外のカフェのような場所。あたたかい午後の光が、テーブルをやわらかく照らしている。

カウンターで、ゆずは注文をしようとしていた。

Can I have a cup of tea, please?」

自分の口から自然と英語が出た。
驚いたが、不思議と落ち着いている。

隣にいた女の子が微笑んで話しかけてくる。

Hi! I like your shirt!」

Oh, thank you! I got it from a small shop downtown.」

話が、どんどん続いていく。
“訳さずに”、そのまま言葉が浮かび、やりとりが生まれる。

ゆずは、自分が英語のままで考え、英語のままで感じていることに気づいた。

“あれ? 日本語が……ない?”

でも、不安ではなかった。
その代わりに、英語が“音”と“気持ち”と“場面”として、自然につながっている。

まるで、魔法みたいだった。

―――

朝、ゆずは目を覚ました。
天井を見つめながら、ぼんやりと考える。

……いまの、夢? でも……全部英語だった……」

心の中に、ほんのり温かいものが残っていた。
まるで、言葉じゃない“何か”が、ゆずの中にしみこんだような感覚。

その日、学校で。
アキ先生にその話をすると、彼は目を細めてこう言った。

「それはきっと、“英語が自分の中に根づきはじめた”証拠だね」

「根づく……?」

「うん。英語を勉強する、覚える、訳す、って段階を超えて、
“英語で感じる”ことが当たり前になってきたんだ。
夢の中では、自分にウソがつけないからね」

ゆずは、そっと笑った。

「なんだか……ようやく“つながった”気がします。私と、英語と」

アキ先生もうなずく。

「それはね、“訳さない世界”に入った人だけが味わえる体験だよ。もう、ゆずはそこにいるんだ」

——そう。
それはもう「学ぶ」英語ではなかった。

使える英語
でも、それ以上に、

感じられる英語

になっていた。(つづく)

 

次回 最終話「魔法の旅のつづき」乞うご期待!

 

 

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ゆずと英語の魔法 第10話「英語の感覚で考えるって?」

あき先生

ゆずと英語の魔法 第10話「英語の感覚で考えるって?」

夕暮れの図書室。窓から差し込むオレンジの光が、ゆずのノートを照らしていた。

英語の勉強にもずいぶん慣れてきた。
最近では、スラッシュで読むのも、音でリズムをつかむのも少しずつ自然になってきている。

でも——

「まだ、なんとなく“訳すクセ”が抜けないな…」
ゆずはそうつぶやいた。

そこへ静かに現れたのは、アキ先生。図書室でも、ゆずのことはよく気にかけてくれる。

「悩んでるようだね。何かあった?」

「はい…。英語を英語のまま理解しようとがんばってるんですけど、どうしても日本語を心の中で挟んじゃって……」

アキ先生は少しうなずいて、ゆずの前に椅子を引いた。

「うん、それは自然なことだよ。僕たちは長い間“訳してから理解する”ってやり方をしてきたからね。でも、そろそろ“別のモード”に入ってもいいかもしれない」

「別のモード…ですか?」

「たとえば、“Apple”って聞いたらどう思う?」

「え? 赤いりんごが、ふわっと浮かびます」

「そう、それでいいんだ。“日本語に変換せずに”イメージでとらえる。
英語を聞いたときに、日本語じゃなく“絵”や“感情”で理解するモード——それが“英語の感覚で考える”ってことなんだよ」

「へぇ……なんか、英語で“感じる”ってことですか?」

「その通り。たとえば “I’m excited.” と聞いたとき、“私は興奮しています”って訳さなくても、
ワクワクする気持ちがそのまま伝わるようになる。
これは、スポーツで言えば“考えなくても体が動く”ような感覚に近いかもしれないね」

「なるほど… それって、ちょっと未来の私みたいでワクワクします!」

アキ先生はにっこりとうなずいた。

「無理に訳そうとせず、感覚で受け取る。それが“直読直解”や“直聞直解”の最終ステージだ。
少しずつでいい。君はもう、そこに近づいてるよ」

ゆずはそっとノートを閉じた。
その瞬間、彼女の心にふわっと「英語の世界」が広がった気がした。

──言葉を超えて、“感覚”で伝わる英語。
ゆずの英語は、訳す世界から、感じる世界へとシフトしていく。(つづく)

 

※次回 第11話「英語で夢を見た日」乞うご期待!

 

 

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ゆずと英語の魔法 第9話「英語のリズムってなに?」

あき先生

ゆずと英語の魔法 第9話「英語のリズムってなに?

昼休み、ゆずは教室の隅で、英語の音読練習をしていた。
でも、なんとなく自分の声が「カタコトっぽく」聞こえて、うまく読めていないような気がする。

The… cat… is… under… the… table…」
(なんか、ぶつぶつ切れてる感じ…)

そこへ、アキ先生がやってきた。

「こんにちは、ゆずさん。英語、声に出してるね。いい調子だよ」

「先生…でも、どうしても“日本語っぽい”話し方になっちゃって。
ネイティブっぽいリズムって、どうすればいいんでしょう?」

アキ先生は「いい質問だね」と言って、ノートに簡単な英文を書いた。

She wants to go to the park.

ゆずさん、ちょっと読んでみて」

「えっと……“シー・ワンツ・トゥ・ゴー・トゥ・ザ・パーク…”」

「今みたいに“単語ごとに切る”読み方を“単語読み”って言うんだけど、英語は“リズム”で読んだほうが自然なんだ」

「リズム……?」

アキ先生は、その文をリズムよく読んでみせた。

She wants to go to the park.」
(シュワンツトゥ ゴウトゥ ザパーク)

「えっ! 全然ちがう! 一気にスラスラって…」

「英語は、“意味のかたまり”でリズムに乗って読むんだ。“スラッシュ・リーディング”にも近いよ」

「へぇ…!」

「さらに、英語には“強く読む単語”と“軽く流す単語”がある。たとえば、“wants”や“go”は強く、“to”や“the”は軽く読む。
これを“英語のリズム”や“イントネーション”っていうんだよ」

「なるほど……まるで“メロディ”みたいですね!」

「そう、英語は“音の言語”。リズムと流れが大事なんだ。
文を丸ごと音で覚えるつもりで、“チャンクごとに音読”してみるといいよ」

ゆずは、もう一度リズムにのせて読んでみた。

She wants to go to the park… あ、なんかスムーズに言えたかも!」

アキ先生はニコリと微笑んだ。

「すごくいい感じだ。“読んでる”というより、“伝えてる”ようになってきたね」

ゆずは、自分の声が少しだけ“英語っぽく”なってきた気がして、うれしくなった。

──英語は、言葉だけじゃなく、“音のリズム”で伝えるもの。
声に出して、リズムに乗って、ゆずの英語はまた一歩、自然に近づいていく。(つづく)

 

※次回 第10話「英語の感覚で考えるって?」乞うご期待!

 

 

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ゆずと英語の魔法 第8話「知らない単語があっても大丈夫?」

あき先生

ゆずと英語の魔法 第8話「知らない単語があっても大丈夫?

最近、英語の授業が前よりずっと楽しくなってきたゆず
でも、英文を読んでいると、時々「知らない単語」に出くわして、手が止まってしまうことがある。

ある日、そんな疑問をアキ先生に相談してみた。

「先生……“直読直解”や“直聞”で、訳さずに読む練習はすごく楽しいです。でも……知らない単語が出てくると、どうしても意味が分からなくて止まっちゃって……」

アキ先生はにっこり笑った。

「それは、すごく良い質問だね。実は、“全部の単語が分からなくても”英語は理解できるんだよ」

「えっ、そうなんですか?」

「たとえば――これを見てごらん」

アキ先生は、短い英文をメモに書いた。

The boy is holding a *** in his hand.

“***”って単語、知らなくても読める?」

「うーん……“その男の子は、手に何かを持っている”って感じかな?」

「そう!今みたいに、文全体の“意味のかたまり”で想像すれば、“わからない単語”があっても全体の流れがつかめるんだ」

「なるほど……“意味のかたまり”で理解するって、そういうことなんですね」

アキ先生はうなずいた。

“わからない1語”に引っかかって止まるより、全体のストーリーや場面をイメージしながら読んでいく。文脈があるからこそ、言葉は意味を持てるんだよ」

「文脈……」

ゆずは少し考えこみ、それから顔を上げた。

「そっか、英語って“パズル”じゃなくて“風景”みたいなものかもしれないですね」

「うん、いい表現だね。細かい部品より、“全体の景色”を見るつもりで英語を読む。
それが、直読直解の本当のチカラなんだよ」

ゆずは大きくうなずいた。

「知らない単語があっても、怖くなくなりました。英語の“意味の流れ”を感じるって、なんだか楽しいです!」

その日、ゆずの中で、英語が「訳すもの」から「感じるもの」へ、また一歩近づいた。

──英語は単語の“意味”ではなく、全体の“流れ”でつかむ。
言葉は音楽のように、つなって響くものだから。(つづく)

 

※次回 第9話「英語のリズムってなに?」乞うご期待!

 

 

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ゆずと英語の魔法 第7話「英語のままで、声に出す」

あき先生

ゆずと英語の魔法 第7話「英語のままで、声に出す

ある日の放課後。
ゆずはひとり教室で、英文を何度も口に出して練習していた。

The boy is eating a sandwich… the boy is…」

でも、途中でつっかえたり、言い直したり、なかなかスムーズに言えない。

そこへ、アキ先生が通りかかる。

「がんばってるね、ゆずさん」

ゆずは少し照れながら答える。

「英語を声に出そうとしてるんですけど、頭で訳しながらだから、うまく言えなくて…」

アキ先生はゆっくりと前の席に座った。

「いいところに気づいたね。“話す”って、実は“訳す”ことじゃない。むしろ“訳さない”ことなんだ」

「え?」

「日本語で“おにぎりを食べる”って言うとき、“I eat… rice ball…”って訳してからじゃなく、“I’m eating a rice ball.”って、場面ごと“英語で思い浮かべて”言う感覚。これが“直話”なんだよ」

「直話…?」

“直聞直解”で英語をそのまま理解する力がついたら、今度はそのまま“声に出す”。英語の語順で、英語の発想のまま、自然に言葉にしていく」

アキ先生は小さな紙芝居のように、いくつかの絵カードを見せてくれた。

犬がボールを追いかけている絵。
男の子がアイスを食べている絵。

ゆずさん、これを見て、“日本語を経由せずに”英語で言ってみようか」

「う、うん……えっと……The dog is… running after the ball!」

「いいね!今のは“訳してない英語”だよ。見たままを、英語で表現する。それが“英語を話す”ってことなんだ」

ゆずは驚いた顔をしながら、でもすぐに笑顔になった。

「そっか……話すって、“考えて訳すこと”じゃなくて、“感じて伝えること”なんだ!」

「その通り。だから“英語を英語のまま理解する”ってことが、話す力につながっていくんだよ」

その日、ゆずの声は少しずつ、でも確実に流れるようになっていった。

──訳さずに、見て、聞いて、感じて、そして話す。
言葉は、気持ちと世界をつなぐ魔法。
その魔法を、ゆずは使いはじめている。(つづく)

 

※次回 第8話「知らない単語があっても大丈夫?」乞うご期待!

 

 

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ゆずと英語の魔法 第6話「“直聞”ってどうやるの?」

あき先生

ゆずと英語の魔法 第6話「“直聞”ってどうやるの?」

リーディングで英語の“順番”と“場面イメージ”がつかめてきたゆず。

今度は、「聞く英語」にチャレンジしたいと思うようになっていた。

授業後の職員室。ゆずは、アキ先生に声をかけた。

「先生、最近“直読直解”が少しずつ分かってきた気がします。でも、リスニングになると、頭が真っ白になってしまって……」

アキ先生は微笑みながら、スマホを取り出した。

「いいね、じゃあ“直聞(ちょくぶん)”にも挑戦してみようか。これは、読まずに聞こえてきた英語を、そのまま“順に”理解する練習なんだ。」

「順に…?」

「うん。“全部聞いてから訳す”んじゃなくて、聞こえた瞬間に、英語の語順のまま“イメージ”を持っていく。直読直解の“耳バージョン”だよ。」

アキ先生はスマホで短い英語の音声を再生した。

A boy is looking for his dog.

ゆずは耳をすませる。

……えっと、“A boy”で男の子が出てきて、“is looking for”で何かを探してて、“his dog”であ、犬を探してるんだって分かる……!」

「そう、それでOK!」

アキ先生が笑顔でうなずく。

「音を“聞いてから考える”んじゃなくて、“聞こえた順に意味がつながる”ようにする。それが“直聞”の感覚なんだよ。」

「なるほど……文字を読んで訳すんじゃなくて、音からそのままイメージにするって、初めての感じです……!」

ゆずは少し驚いたように言ったあと、でもすぐにその面白さに気づいた。

「すごい、英語が“聞ける”ようになっていくって、こんな感覚なんだ……」

アキ先生は静かにうなずいた。

「言葉を“そのまま”受けとる力。それが、英語の魔法の次のステージだね。」

ゆずの中で、読んで理解する英語から、聞いて感じる英語へと、扉が静かに開いた。

──英語を、目だけじゃなく、耳からも“訳さずに”感じる。
それが「直聞」の魔法。(つづく)

 

※第7話「英語のままで、声に出す」乞うご期待!

 

 

 

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ゆずと英語の魔法 第5話「英語を“絵”でとらえる?」

あき先生

ゆずと英語の魔法 第5話「英語を“絵”でとらえる?」

英語を“語順どおり”に理解する力がついてきたゆず。
でもまだ、「英語のまま思い浮かべる」感覚には自信がなかった。

放課後、ゆずはアキ先生のところに立ち寄った。

「先生、私、文を語順どおりに読めるようにはなってきたんですけど……頭の中に“意味の絵”が浮かんでこないんです。まだ“単語の集まり”って感じで。」

するとアキ先生は、にっこり微笑んでノートを開いた。

「それ、いい質問だね。実は、英語を“単語”じゃなくて“場面”でとらえるっていうのも、直読直解の大事なポイントなんだ。」

ノートに書かれていたのは、こんな英文だった。

The girl is running after a puppy in the park.

アキ先生はゆずに語りかける。

「この文を、日本語に訳す前に、“絵”にしてみよう。女の子がどこで何をしていて、何を追いかけてるのか。頭の中に“その場面”を思い浮かべてみて。」

ゆずは目を閉じて、ゆっくりと文をたどった。

「女の子が……公園で……子犬を追いかけて走ってる……あっ、絵になりました!」

目を開けたゆずの顔がぱっと明るくなった。

「最初に“The girl”で女の子が出てきて、“is running after a puppy”で子犬を追いかけてて、“in the park”で場所が決まる……って感じで、ちゃんと場面になりました!」

アキ先生はうなずいた。

「そう、それが“英語で思い描く”ってこと。意味を頭で組み立てるんじゃなくて、イメージでつかむ。それが、英語を英語のまま理解する力になるんだ。」

ゆずは、小さく感動しながらつぶやいた。

「英語の文の中に、“風景”があるんですね……」

そう言って微笑むゆずの目は、すでに次の英文の中の“世界”を探していた。

──言葉を、場面として感じること。
訳さずに、見えてくる英語。
それはきっと、魔法にいちばん近い力。(つづく)

 

※次回 第6話「”直聞”ってどうやるの?」乞うご期待!

 

 

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ゆずと英語の魔法 第4話「英語の語順で考えるって?」

あき先生

 

ゆずと英語の魔法 第4話「英語の語順で考えるって?」

少しずつ「直読直解」の感覚に慣れてきたゆずだったが、まだときどき英語の語順に戸惑ってしまうことがあった。

その日も、授業中に教科書の例文を読みながら、彼女は首をかしげていた。

「英語の語順って、日本語と全然ちがうんだよな……」

ゆずのそんなつぶやきが聞こえたのか、近くを歩いていたアキ先生が立ち止まり、にっこりと微笑んだ。

「うん、いい気づきだね。じゃあ、ちょっとこの文を見てみようか。」

アキ先生は黒板にこう書いた。

I want you to help me.

「この文を、まずは“英語の語順のまま”で考えてみよう。」

ゆずは英文を見つめながら、少し考える。そして、ゆっくりと口にした。

「私は望む……あなたが……私を手伝うことを?」

その瞬間、アキ先生が嬉しそうにうなずいた。

「そう、その通り。順番どおりに理解しようとする意識が大事なんだ。英語は“並び”で意味を作るから、語順で思考できるようになると、英語のまま理解できるようになるよ。」

ゆずは、目の前が少し明るくなったような気がした。

「なるほど……“英語を訳す”んじゃなくて、“英語の順番でそのまま考える”ってことなんですね。」

ページをめくりながら、ゆずは心の中でつぶやいた。

「順番どおりに理解するって、こんなにスッキリするんだ……」

それはまるで、迷路の中で正しい道筋を見つけたような爽快さだった。

窓から差し込む光のなか、ゆずは新たな一歩を踏み出すように、前を向いて微笑んだ。

──訳さない英語の世界へ。ゆずの冒険は、まだ始まったばかり。(つづく)

 

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ゆずと英語の魔法 第3話「スラッシュで読んでみよう」

あき先生

ゆずと英語の魔法 第3話「スラッシュで読んでみよう」

英語の読解が苦手だったゆずは、最近少しずつ「直読直解」の感覚をつかみはじめていた。でも、長めの英文になると、やっぱり途中で意味がわからなくなってしまうこともある。

ある日の授業中、そんな彼女の様子にアキ先生が気づいた。

「ゆずさん、ちょっと読んでみてくれる?」

「はい……えっと……“The man who is talking to Mary is my uncle.”」

読み終えたゆずは、眉を寄せたままつぶやく。

……意味はなんとなく分かるけど、読んでる途中で混乱しちゃって」

するとアキ先生は、にっこり笑って黒板に英文を書いた。

「じゃあ、こうしてみようか。“スラッシュ・リーディング”っていう読み方を使ってみるんだ。」

そう言いながら、アキ先生は英文にスラッシュを入れていく。

The man / talking to Mary / is my uncle.

「こんなふうに“意味のかたまり”ごとにスラッシュを入れて、そこでいったん止まって内容をイメージしてみる。無理に最後まで読まずに、“今のところまで”で理解していくんだよ。」

ゆずは、もう一度その英文を目で追いながら、声に出して読んでみた。

“The man…” 男の人がいて…/“talking to Mary…” メアリーと話してる人?/“is my uncle.” あっ……私のおじさんだ!」

読みながら意味をかみしめていくと、文の全体像が自然とつながってきた。

「わっ、分かりました!最初から“この人は誰か”ってイメージしていけたので、最後の“おじ”っていうところで“ああ、そういうことか!”ってなりました!」

ゆずの顔がぱっと明るくなった。

「その調子。スラッシュで読むと、“英語の順番”で思考が進むようになる。これも直読直解の大事なステップなんだ。」

アキ先生が静かにうなずいたとき、ゆずはまた一つ、“英語の魔法”を発見したような気持ちになった。

──文の流れを切って、つないで、理解する。

訳さずに、感じる英語の力が、少しずつ彼女の中に育っていく。(つづく)

 

※次回 第4話「英語の語順で考えるって?」乞うご期待!

 

 

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