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ゆずと英語の魔法 第2話「直聞直解法ってなに?」

あき先生

ゆずと英語の魔法 第2話「直聞直解法ってなに?」

2のゆずは、英語のリスニングの時間になると少し憂うつだった。教室に流れる英語の音声は速くて、単語の意味を考えているうちに、次の文に進んでしまう。どんどん置いていかれる気がして、イヤホンを外したくなることもある。

この日も、教科書の音声を聞いていたゆずは、苦い顔をしていた。

「うう……英語の音が速すぎて、全然ついていけないよ……」

すると、そんな彼女の様子に気づいたアキ先生が、やさしく声をかけてきた。

「ゆずさん、“聞いてすぐ訳そう”としてないかな?」

驚いて顔を上げると、アキ先生がにこやかにしゃがんで、目線を合わせてくれている。

「えっ……だって、意味を考えなきゃって思って……」

ゆずが戸惑いながら答えると、アキ先生は黒板にチョークで図を書きながら説明を続けた。

“直聞”っていうのはね、英語の“音”を聞いて、まず“意味のイメージ”をつかむ練習なんだよ。日本語に訳そうとするのは、そのあとでいいんだ。」

黒板には、「音 → 意味 → 訳語 ×」「音 → 意味 ○」という図が描かれていた。

“聞いたら訳す”じゃなくて、“聞いたらイメージする”っていう感覚。これが、英語を英語のまま理解する“直聞”のポイントなんだ。」

アキ先生の言葉に、ゆずの表情がパッと明るくなる。

「なるほど……“英語のまま”イメージすればいいんですね!」

次のリスニング音声が流れはじめたとき、ゆずは今までより少しリラックスして聞き始めていた。まだ完全にわかるわけではないけれど、「意味をイメージする」ことを意識してみると、音の向こうにぼんやりと場面が浮かんでくる気がした。

──“音”から“意味”へ。

訳さない英語の感覚が、ゆずの中に、そっと芽生えはじめていた。(つづく)

 

※次回 第3回「スラッシュで読んでみよう!」乞うご期待!

 

 

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ゆずと英語の魔法 第1話「直読直解法ってなに?」

あき先生

ゆずと英語の魔法 第1話「直読直解法ってなに?」

登場人物 ゆず(高校2年生) アキ先生(英語科の男性教師)

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高校2年生のゆずは、英語の授業中、教科書を開いたまま少しだけ眉をひそめていた。

「英語の語順って、日本語と全然ちがうんだよな……」

教科書に書かれた英文を目で追いながら、そんなことを心の中でつぶやく。頭の中で日本語に直そうとすると、どうしても順番が逆になったり、意味が混乱したりしてしまうのだ。

そのとき、教室の前で黒板に英語の例文を書いていたアキ先生が、くるりと振り返った。

「みんな、この文を見てごらん。I want you to help me.」

チョークで書かれたその英文を指しながら、アキ先生はやさしく語りかける。

「この文、日本語に直す前に“英語の語順のまま”で考えてみよう。」

ゆずは少し戸惑いながらも、英文を見つめ直す。

I want…私は望む、you to help me…あなたが、私を手伝うことを…?」

頭の中で語順をなぞりながら、ゆずはそっとつぶやいた。

「私は望む → あなたが → 私を手伝うことを…?」

その瞬間、アキ先生が嬉しそうにうなずいた。

「その通り。“英語の順”で思考する練習が、直読直解のカギなんだよ。」

英語を一つ一つ、日本語に変換して並べ替えるのではなく、そのままの順番で理解する。それが「直読直解」という考え方だと、ゆずはそのとき初めて実感した。

教科書のページをめくりながら、ゆずは心の中でつぶやく。

「順番どおりに理解するって、こんなにスッキリするんだ……」

いつもとは違う、すっきりとした感覚が胸の中に広がる。英語が、少しだけ近く感じられた瞬間だった。

窓の外から、やわらかな光が差し込んでくる。ゆずはそっと前を向き、小さく微笑んだ。

──訳さない英語の世界へ。ゆずの一歩が、いま静かに始まった。(つづく)

 

※次回 第2話「直聞直解法ってなに?」乞うご期待!

 

―― 英語が「読めない・聞き取れない」のは、才能のせいじゃない。――

ここ数年、共通テストの英語が「難しくなった」と言われています。
でも実は、それは「英語が本物に近づいてきた」ということかもしれません。
ゆっくり訳しながら読む、そんなやり方ではもう間に合わない。
求められているのは、「英語を英語のまま理解する力」なんです。

でも、安心してください。
英語のセンスや才能なんて、必要ありません。
必要なのは、「英語のまま理解する」ちょっとしたコツと、それを磨く練習法。

この物語は、そんな新しい学び方に出会った高校生の成長の記録です。
きっとあなたの中にも、同じ力が眠っているはず。
ページをめくるたびに、「英語ってそういうことか!」が見えてきます。

さあ、新しい英語の世界へ、一歩踏み出してみましょう。

 

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