
第12話「あなたの“色”で、未来を描け」
その朝、空は真っ白だった。
試験会場へ向かう電車の窓に映る自分の顔を見て、彩はそっとつぶやいた。
I’m not afraid anymore.
ポートフォリオも、自己推薦文も、
面接で使う英語フレーズも、すべて準備はできていた。
でも、彩の中で一番大きく変わったのは――
**「英語を通して、自分を表現できる」**という確かな感覚だった。
面接室の扉が開いた。
英語と日本語が交互に飛び交う空間。
緊張の中で、彩は、直聞直解のリズムを思い出した。
意味が、音のまま、頭にすっと入ってくる。
「What inspired you to create this work?」
試験官の問いかけに、彩は深くうなずいた。
“I painted this when I was thinking about my little brother.
He had to stay in the hospital for a while, and I wanted to show that even in silence, there’s warmth.”
言葉が出てくるのを待っている間、
心の中には、アキ先生の声と、あのアトリエの光があった。
面接の最後、試験官のひとりが微笑んで言った。
「Your portfolio is not just beautiful. It tells a story.」
そのとき、彩の胸の奥で、なにかが“ほどけた”。
合格発表の日。
パソコンの画面に映った「合格」の文字を見たとき、
彩の中で、色と音と英語が――ひとつの線になった。
アキ先生から届いた短いメッセージ。
「君の描いた道は、君にしか描けない“キャンバス”だ。」
彩は、返信を書きかけて、ふと、空を見上げた。
今日の空には、やわらかな光が差していた。
そして、彼女は英語でつぶやいた。
My future is full of colors I haven’t used yet.
そう、これからが、ほんとうの始まり。
英語とアート、ふたつの翼を手に入れた彼女の“未来”が、いま動き出す。
【完】
『彩と英語のキャンバス』――直聞&直読直解法で、自分の言葉を見つけた少女の物語。
「あなたの英語には、あなたにしか描けない“色”がある」
彩のように、芸術の道を志す高校生にとって、「英語」はときに遠い存在に感じられます。
でも本来、英語とは、「世界中の人と心をつなぐ表現手段」です。
絵を描くことも、音を奏でることも、英語で誰かと語ることも――
すべては、「想いを伝える」ことに変わりはありません。
直聞直解法と直読直解法は、英語を“芸術的感性”でとらえる学び方です。
日本語に訳すのではなく、英語のまま「意味を感じて」理解する。
だからこそ、アーティストであるあなた自身の「感覚」と自然に結びつくのです。
彩は、「音」「光」「色」「言葉」が一本の線でつながる感覚を手に入れました。
そして、英語も“自分のアート”の一部であると感じるようになりました。
あなたも、自分だけの“キャンバス”を描いてください。
英語という筆を使って、世界を自由に旅するために――。
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