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響の音と英語 Vol.1 第7話「英語のリズム、ジャズのリズム」

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音大志望・響jpg

第7話「英語のリズム、ジャズのリズム」

(場面:音楽室。響がピアノの横に座りながら、アキ先生と話している)

響(ひびき):
先生、私、最近やっとわかってきました。英語って、日本語とは全然違うリズムでできてるんですね。

アキ先生:
そのとおり!英語には、2種類の大事なリズムがあるんだ。
ひとつは「単語の音節リズム」。そしてもうひとつが「文の内容語リズム」。

響:
うん。1単語ごとに「音節」っていうリズムのかたまりがあって、milkは1音節、basketballは3音節。でも、日本語だと「バスケットボール」は7拍になるから、まったくリズムが合わない。

アキ先生:
そう。それが日本人が英語を話しても「なんか通じない」最大の原因なんだよ。そしてもうひとつが「文の内容語リズム」。これは、伝えたい大事な単語=内容語だけを、強く、ゆっくり、はっきり言うってこと。

響:
内容語だけ?じゃあ、逆に言えば、それ以外は適当でもいいってこと?

アキ先生:
極端に言えば、そうだね。たとえば――

“What do you wear on your head? A hat.”

この文、強く言うべきは What, wear, head, hat
それだけ聞こえれば、ちゃんと通じる。

響(目を輝かせて):
それってまるで、ジャズのビートみたい!

アキ先生:
おっ、さすが音大志望。実はね、このリズム感を身につけるのにぴったりな教材があるんだ。
その名も――「ジャズチャンツ」

響:
ジャズチャンツ……?それって歌?

アキ先生:
歌というより、“英語のビート練習”だな。音節や内容語のリズムをジャズのように繰り返し叩き込む練習法なんだ。まさに、英語と音楽の架け橋だよ。

響:
それ、めっちゃやりたいです!

 


 

(ナレーション)

響の中で、英語と音楽が一本の線でつながった瞬間だった。
「伝えるための英語」――その本当のリズムを、彼女はこれから身体で感じていく。

(つづく)