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彩と英語のキャンバス 第5話「イメージで読む、心で描く」

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美大志望・彩

5話「イメージで読む、心で描く」

 

翌日。彩は学校の帰りに、また塾へと向かった。

武蔵ゼミナールの木の扉が、もう「少し懐かしい場所」に感じられるのが不思議だった。

アキ先生は、今日も静かに言った。

「今日は、“文章”を読んでもらうよ。
でも条件はひとつ。訳さないこと。
そのかわり、頭の中に**“絵”を描きながら読むこと**」

 


 

プリントに書かれた英文はこれだった。

She opened the window, and a breeze carried the scent of the morning into the room.

目を閉じて、彩は想像した。

(少女が窓を開ける。やわらかい風が入ってくる。朝の匂い。カーテンがゆれて――)

言葉がそのまま“場面”になる。
まるで、英語が絵の下書きをしてくれるようだった。

……感じられました」

「訳さずに“見る”。
これが、“直読直解”の第一歩なんだ」

 


 

「多くの人は、“単語の意味を調べる”ことが英語だと思ってる。
でも、君みたいに絵を描く人には、“言葉をイメージに変換する力”がある。
むしろ、普通の人よりずっと有利なんだよ」

……そんなふうに思ったこと、ありませんでした」

「たとえば、“run”って言葉を見たら――どう感じる?」

「うーん……走る……じゃなくて、何か動き出す感じ。風を切って、足音が響いて、っていう……」

「それだ。“意味”じゃなくて、“動き”を感じる
それが、言葉を“生きたまま”理解する力なんだ」

 


 

その日から、彩は毎晩のスケッチのあと、
短い英語の文章を“読む”のではなく、“描く”ようになった。

The leaves whispered in the wind.
→ (風に揺れてささやく葉。光と影のグラデーション)

He watched the sky turning orange.
→ (夕焼けを見上げる人影。空の移ろい。静けさ)

 


 

(英語って、こんなに感覚的でよかったんだ)

気づけば、英語の“教科書的な冷たさ”はもう消えていた。

そこにあったのは、心と心をつなぐ“色のついたことば”だった。

 


 

放課後、塾の帰り道。
空はあたたかいピンクに染まっていた。

彩は思わず、空を見上げて、つぶやいた。

The sky is full of soft colors today.

英語が、彩の“日常”に溶け込んでいく。

(第6話へつづく)

 


 

 

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