
ゆずと英語の魔法 第11話「英語で夢を見た日」
ある春の夜。
ゆずは、少し疲れてベッドに倒れ込むように眠りについた。
テスト勉強で詰め込んだ英単語、聞き取れるようになってきたフレーズ、アキ先生との対話……
さまざまな言葉が、頭の中をふわふわと漂っていた。
……そして、その夜——
ゆずは夢の中で、英語の世界に立っていた。
―――
夢の中。
海外のカフェのような場所。あたたかい午後の光が、テーブルをやわらかく照らしている。
カウンターで、ゆずは注文をしようとしていた。
「Can I have a cup of tea, please?」
自分の口から自然と英語が出た。
驚いたが、不思議と落ち着いている。
隣にいた女の子が微笑んで話しかけてくる。
「Hi! I like your shirt!」
「Oh, thank you! I got it from a small shop downtown.」
話が、どんどん続いていく。
“訳さずに”、そのまま言葉が浮かび、やりとりが生まれる。
ゆずは、自分が英語のままで考え、英語のままで感じていることに気づいた。
“あれ? 日本語が……ない?”
でも、不安ではなかった。
その代わりに、英語が“音”と“気持ち”と“場面”として、自然につながっている。
まるで、魔法みたいだった。
―――
朝、ゆずは目を覚ました。
天井を見つめながら、ぼんやりと考える。
「……いまの、夢? でも……全部英語だった……」
心の中に、ほんのり温かいものが残っていた。
まるで、言葉じゃない“何か”が、ゆずの中にしみこんだような感覚。
その日、学校で。
アキ先生にその話をすると、彼は目を細めてこう言った。
「それはきっと、“英語が自分の中に根づきはじめた”証拠だね」
「根づく……?」
「うん。英語を勉強する、覚える、訳す、って段階を超えて、
“英語で感じる”ことが当たり前になってきたんだ。
夢の中では、自分にウソがつけないからね」
ゆずは、そっと笑った。
「なんだか……ようやく“つながった”気がします。私と、英語と」
アキ先生もうなずく。
「それはね、“訳さない世界”に入った人だけが味わえる体験だよ。もう、ゆずはそこにいるんだ」
——そう。
それはもう「学ぶ」英語ではなかった。
「使える英語」
でも、それ以上に、
「感じられる英語」
になっていた。(つづく)
次回 最終話「魔法の旅のつづき」乞うご期待!
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