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響の音と英語 Vol.2 第4話「英語にも「強弱」があるの?」

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第4話「英語にも「強弱」があるの?」

(英語塾にあるキーボードの前。授業の後、響がスコアを読みながら小さく鼻歌)

響(ひびき)(モノローグ)
「ベートーヴェンのこのフレーズ、やっぱりここのアクセントが鍵になるんだよね…」

(そこへ、塾長のアキ先生が来る)

アキ先生
…おっ、耳がいいね、響さん。ちゃんと“強弱”で音楽を感じ取ってる。」


「あっ、アキ先生。今、フレーズのアクセントの位置を確かめてて…。英語の授業中より、こういうのの方がしっくり来るんです(笑)」

アキ先生(にっこり)
「その感覚、大事にしていいよ。実はね――英語にも、音楽と同じ“強弱のリズム”があるんだ。」


「えっ? 英語に強弱の“リズム”? 単語の意味とか文法とかじゃなくて?」

アキ先生
「うん。日本語は“モーラ(拍)”のリズム。たとえば『ミルク』は3拍。でも英語の milk はたった1音節(syllable)。しかも milk “音”は一瞬に詰まってる。その違い、気づいたことある?」


…えーと、たしかに英語って、もっとこう……“かたまり”で音が流れていく感じはあります。でも、それって何か法則があるんですか?」

アキ先生
「あるよ。それが“内容語リズム”っていうんだ。意味のある単語――たとえば名詞・動詞・形容詞・副詞――を、リズムの“ビート”として強く言う。逆に文法的な助詞や冠詞、be動詞、前置詞などは弱く流す。」

(少し驚いたように)
「それって……メロディーで言えば、“主旋律”と“伴奏”みたいな?」

アキ先生(目を輝かせて)
Exactly!そう、まさにそれだよ!」


「わあ、なんだかすごく面白くなってきました! 英語を“音楽”として聴く……なんて考えたことなかった。」

(キーボードに向かって、This is the REAson why I deCIDed to TRY a new MEthod. をリズムに乗せてポロンと弾いてみる)

(口ずさむように)
This is the REAson… why I deCIDed… to TRY a new MEthod…」

アキ先生
「すごい。もう“語感”でとらえ始めてる。次回、もう少し“リズムの正体”に迫っていこうか。」


「はい、ぜひ! 英語の授業が、ちょっと楽しみになってきました。」

(夜も更けてきた英語塾。キーボードの音の余韻とともに、静かにカーテンが揺れる)

(つづく)

 

 

 

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響の音と英語 Vol.2 第3話「英語は語順が文法」

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第3話「英語は語順が文法」

響は、自分でも驚くほど素直にうなずいていた。

…たしかに、英語って“順番”が違うなって思ってた。日本語と、感覚が…こう、ズレてる感じっていうか。」

アキ先生「うん、それが“語順”の違いだよ。そしてね、英語は“語順”に意味があるんだ。たとえば――」

先生は、ホワイトボードにこう書いた。

The dog bit me.(その犬が私を噛んだ。)

アキ先生「この文の語順が変わったら、意味がまったく変わってしまうんだ。」

I bit the dog. (私はその犬を噛んだ。)

「あっ、ほんとだ。“the dog”と“me”の位置が逆になったら、まったく違う意味になる!」

アキ先生「そう。英語は語順のルールで、“誰が何を”を正確に伝えてる。でも、日本語では語順を自由にしても助詞で意味が分かる。」

「友だちにプレゼントをあげた」
「プレゼントを友だちにあげた」
「あげた、プレゼントを、友だちに」

アキ先生「ね? 日本語なら、語順がバラバラでも通じる。でも英語は違う。語順が“文法”なんだ。

「英語は“語順で伝える言語”…なんですね。」

アキ先生「そう。だから――
語順通りに、英語のまま理解する力こそが、英語力の土台になる
“訳す”んじゃない。“感じる”んだ。語順の流れの中で。」

アキ先生の言葉に、響の胸の奥で、何かが響いた。

…アキ先生、それが“直読直解”ってやつなんですか?」

アキ先生「その通り!英語を、語順のまま、映像で感じ取る
それが“直読直解”。
音で同じことをやるのが“直聞直解”だよ。」

そして、先生は再び黒板に一文を書いた。

This is the REAson why I deCIDed to TRY a new MEthod.
(これが、私が新しい方法を試すことに決めた理由です)

アキ先生「響、この文を日本語に訳す前に、英語の流れで“意味”を追ってごらん。」

響は、ゆっくり読み始めた。

This is… the REAson… why I… deCIDed… to TRY… a new MEthod…」

「これが…理由…私が決めた…新しい方法を試すって…あっ!」

顔を上げた響の目が輝いた。

「なんか…わかった気がします!訳してないのに、“意味”が頭の中に入ってきた感じ…!」

アキ先生「それが直読直解の第一歩だ。“語順で読む”って、そういうことなんだよ。
ネイティブの子どもたちも、最初は語順の流れで言葉を理解していくんだ。」

響はその瞬間、
これまでの英語との距離感が、少し縮まったような気がした。(つづく)

 


 

英語教育の本質的な“構造の欠落”

明治初期に導入された英文法は、主に 翻訳中心の“文語的英語” として、日本語の学問言語体系に組み込まれていきました。

つまり、「英語を日本語に訳す技術(=訳読)」として制度化され、“英語を英語の語順で理解する”という視点が、完全にスルーされてしまったのです。

その結果、いまだに多くの高校生が、英語の文章を「後ろから訳していく」ことに疑問すら抱かず、共通テストでは“意味の塊”(チャンク)をつかむ力ではなく、“選択肢を消す技術”に頼るようになってしまったのです。

言語学的な観点から説明すると、日本語は膠着語としての特徴があり語順の制約が緩いのです。一方、英語は屈折語として分類されるのですが、孤立語的な要素を併せ持つため語順の制約が厳しい言語として知られています。

語順の制約が厳しいうえに、日本語とは語順が180度逆なので、日本人にとって英語は非常に難しい言語とされています。しかし、その語順さえ獲得できれば英語を習得するのはそれほど苦ではなくなります。それゆえに、「語順訳」を通して学ぶことが英語習得のカギになります。

つまり、日本人にとっての英語習得の第一歩は、
文法の暗記でも、単語の丸覚えでもなく、
語順という「英語の回路」を頭に組み込むことなのです。

「語順訳」は、その回路をつくるための最短ルート。
英語を“訳して読む”時代から、“語順で感じて読む”時代へ

それが、武蔵ゼミナールが提案する“直聞&直読直解法”の真髄です。

 

 

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響の音と英語 Vol.2 第2話「日本語にはない英語のリズム」

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第2話「日本語にはない英語のリズム」

(放課後。音楽室の片隅でピアノを弾きながら、響が英語のフレーズを小さく口ずさんでいる)

響(心の声)
This is the REAson why I deCIDed to TRY a new MEthod…
…うん。なんだか、拍がある。このRE・A・son、de・CID・edって、音楽のフレーズみたい。)

(ふと、携帯を取り出し、以前見たアキ先生のYouTubeをもう一度再生)

アキ先生(動画で)
「英語のリズムは、内容語(重要な意味をもつ語)にアクセントが置かれ、それがビートを生みます。まるで音楽。だから、音楽を学んでいる君たちは、英語に向いているんです。」

響(ふっと笑って)
…そっか。意味じゃなくて、ビートを感じればいいんだ。英語を“読む”んじゃなく、“聴いて、感じて、流れに乗る”——演奏するみたいに。」

(音楽室の鏡に映った自分を見て、ピアノの横に置いた英語ノートを開きながら、響は立ち上がる)


「音で、リズムで、語感で——英語を“読む”ってこういうことなんだ…。私、やってみたい。

(その時、後ろから)

同級生・凜(りん)
「へぇ〜、英語も“リズム”で読めるの? 響、なんか楽しそうだね。」

響(少し驚いて振り返りながら)
「凜! うん、ちょっと面白い読み方に出会っちゃって。」


「それってまた例の“直読直解”ってやつ?」

響(目を輝かせて)
「そう! しかも、“音楽”とすごくつながってるの。だから、私にもできそうって思えたんだ。」(つづく)

 

 

 

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響の音と英語 Vol.2 第1話「語順で感じる、音の風景」

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1話「語順で感じる、音の風景」

(ナレーション)
高校3年生、音大志望の響(ひびき)は、志望理由書を書き終えたばかりの夜、ふと思った。
「私、なぜ英語が前より“読める”ようになってきたんだろう?」

(響の部屋。机に楽譜と英語の参考書が並ぶ)
響(心の声):
あの時、「英語って音楽みたいだよね」って気づいた瞬間から、全部が変わった。
だけど、最近はもうひとつ、はっきり感じることがある。

(ナレーション)
──それは、「語順」で意味が流れ込んでくるという感覚。

(回想シーン・前の授業でアキ先生の言葉)
アキ先生:
英語は語順で意味を伝える言語です。訳すより、語順のまま意味を感じてください。
たとえばこの英文──

This is the REAson / why I deCIDed / to TRY / a new MEthod.
  これが理由です / 私が決めた / 試すことを / 新しい方法を。

響(回想しながら):
この語順訳(ごじゅんやく)って、英語の音のリズムと一緒に読めるから、
まるで言葉が音楽みたいに頭に入ってくるんだよね。

(現在の響の部屋)
響:
それに、語順で読むようになってから、
英文が「意味のかたまり」で見えてくるようになった気がする。

(ナレーション)
──たとえば、あの時読んだ志望理由書の例文。

(モノローグと英語文)
響:
I want to become / a musician / who can express / emotions / beyond words.
私はなりたい / 音楽家に / 表現することができる / 感情を / 言葉を超えて

響(語順で反復しながら心の中でリズムを刻む):
beCOME a muSIcian / who can exPRESS / eMOtions / beYOND WORDS…
言葉じゃなくて、音で伝えたいって思った。
英語も、きっとそういう“リズム”で伝わるんだ。

(ナレーション)
──そう、彼女は気づいていた。
音の中にある、語順の流れと、感情のライン。
それが、自分の中で「英語の風景」を描いてくれることに。

(次の日。響と英語の授業)

先生(授業中):
今日の文法事項は関係代名詞です。「who」や「which」など──

(響、ノートに手を動かしながら心の中でつぶやく)
響:
“who can express emotions beyond words.”
この「who」は…「音楽家」を説明してる。
うん、語順のままつなげればいいんだ。

(ナレーション)
訳さずに、流れる語順で感じること。
響はそれを「音で読む英語」と呼んでいた。

(響がイヤホンをつけて英語音声を聴いている)
響(心の声):
このまま、もっと読めるようになりたい。
“語感”で、英語の世界がもっと見えるようになったら──
私、絶対に音大に受かって、自分の音を届けるんだ。(つづく)

 

 


 

 

英語の教科書を開いたとき、そこに“音”を感じたことはありますか?

主人公・響(ひびき)は、音大志望の普通の高校生。
彼女にとって英語は、ただの“受験科目”でした。

ところがある日、“英語にはリズムがある”という話を聞きます。
「ジャズチャンツ?」「語順訳?」「音節リズム?」

最初は戸惑いながらも、“音楽家の耳”で英語を聴き、
“奏でるように”読むうちに、
英語がまるで旋律のように、意味ごと流れてくるのを感じはじめます。

これは、英語を「訳す」のではなく、「感じて理解する」力を育てていく、
一人の高校生の小さな革命の記録です。

英語がうまくならない——
でも、どこかで何かがちがう気がしている——

そんなあなたの心に、この物語が“響く”ことを願って。

 

 

 

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