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響の音と英語 Vol.2 第3話「英語は語順が文法」

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音大・響jpg

第3話「英語は語順が文法」

響は、自分でも驚くほど素直にうなずいていた。

…たしかに、英語って“順番”が違うなって思ってた。日本語と、感覚が…こう、ズレてる感じっていうか。」

アキ先生「うん、それが“語順”の違いだよ。そしてね、英語は“語順”に意味があるんだ。たとえば――」

先生は、ホワイトボードにこう書いた。

The dog bit me.(その犬が私を噛んだ。)

アキ先生「この文の語順が変わったら、意味がまったく変わってしまうんだ。」

I bit the dog. (私はその犬を噛んだ。)

「あっ、ほんとだ。“the dog”と“me”の位置が逆になったら、まったく違う意味になる!」

アキ先生「そう。英語は語順のルールで、“誰が何を”を正確に伝えてる。でも、日本語では語順を自由にしても助詞で意味が分かる。」

「友だちにプレゼントをあげた」
「プレゼントを友だちにあげた」
「あげた、プレゼントを、友だちに」

アキ先生「ね? 日本語なら、語順がバラバラでも通じる。でも英語は違う。語順が“文法”なんだ。

「英語は“語順で伝える言語”…なんですね。」

アキ先生「そう。だから――
語順通りに、英語のまま理解する力こそが、英語力の土台になる
“訳す”んじゃない。“感じる”んだ。語順の流れの中で。」

アキ先生の言葉に、響の胸の奥で、何かが響いた。

…アキ先生、それが“直読直解”ってやつなんですか?」

アキ先生「その通り!英語を、語順のまま、映像で感じ取る
それが“直読直解”。
音で同じことをやるのが“直聞直解”だよ。」

そして、先生は再び黒板に一文を書いた。

This is the REAson why I deCIDed to TRY a new MEthod.
(これが、私が新しい方法を試すことに決めた理由です)

アキ先生「響、この文を日本語に訳す前に、英語の流れで“意味”を追ってごらん。」

響は、ゆっくり読み始めた。

This is… the REAson… why I… deCIDed… to TRY… a new MEthod…」

「これが…理由…私が決めた…新しい方法を試すって…あっ!」

顔を上げた響の目が輝いた。

「なんか…わかった気がします!訳してないのに、“意味”が頭の中に入ってきた感じ…!」

アキ先生「それが直読直解の第一歩だ。“語順で読む”って、そういうことなんだよ。
ネイティブの子どもたちも、最初は語順の流れで言葉を理解していくんだ。」

響はその瞬間、
これまでの英語との距離感が、少し縮まったような気がした。(つづく)

 


 

英語教育の本質的な“構造の欠落”

明治初期に導入された英文法は、主に 翻訳中心の“文語的英語” として、日本語の学問言語体系に組み込まれていきました。

つまり、「英語を日本語に訳す技術(=訳読)」として制度化され、“英語を英語の語順で理解する”という視点が、完全にスルーされてしまったのです。

その結果、いまだに多くの高校生が、英語の文章を「後ろから訳していく」ことに疑問すら抱かず、共通テストでは“意味の塊”(チャンク)をつかむ力ではなく、“選択肢を消す技術”に頼るようになってしまったのです。

言語学的な観点から説明すると、日本語は膠着語としての特徴があり語順の制約が緩いのです。一方、英語は屈折語として分類されるのですが、孤立語的な要素を併せ持つため語順の制約が厳しい言語として知られています。

語順の制約が厳しいうえに、日本語とは語順が180度逆なので、日本人にとって英語は非常に難しい言語とされています。しかし、その語順さえ獲得できれば英語を習得するのはそれほど苦ではなくなります。それゆえに、「語順訳」を通して学ぶことが英語習得のカギになります。

つまり、日本人にとっての英語習得の第一歩は、
文法の暗記でも、単語の丸覚えでもなく、
語順という「英語の回路」を頭に組み込むことなのです。

「語順訳」は、その回路をつくるための最短ルート。
英語を“訳して読む”時代から、“語順で感じて読む”時代へ

それが、武蔵ゼミナールが提案する“直聞&直読直解法”の真髄です。

 

 

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