武蔵ゼミナール
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日別アーカイブ: 2026年6月12日

【正則英語学習法(6)】脳内OSを書き換える科学的学習法

正則英語学習法

第6回:脳のスペックを書き換える「英語脳」という名の教育維新

「英語ができるようになりたい」と願い、単語帳をめくり、文法書を読み込む。 しかし、どれだけ努力しても「英語が速く読めない」「リスニングが聞き取れない」という壁にぶつかるのはなぜでしょうか?

答えは残酷ですが、シンプルです。 「英語脳」が育っていないから、です。

植村研一教授が突きつけた「真実」

17か国語を操るマルチリンガル(多言語話者)として知られている、脳外科の浜松医科大学名誉教授の植村研一先生は多言語話者の脳の研究をして、医学的な見地からこう断言されています。 「赤ちゃんと同じで、英語の音を耳から入れなければ『英語脳』は育たない」と。

私たちの脳は、日本語の回路(訳読式)を通している限り、英語を「情報」として処理することができません。翻訳という無駄なステップを踏むたびに、脳は熱を帯び、速度は著しく低下するからです。

突きつけられた「75」という現実

今の高校生の平均処理速度は、わずか 75wpm(分速75単語)。 一方で、共通テストが要求するスピードは、リスニングで 140wpm、リーディングで 200wpm以上 です。

想像してみてください。時速75kmでしか走れない軽自動車で、時速200kmのF1レースに挑むことを。 アクセルを踏み込んでも(努力しても)、エンジンそのものが旧式(訳読式)であれば、物理的にスピードは出ません。今の受験生は、この「エンジン格差」を無視して、ただ闇雲にハンドルを握らされている状態なのです。

「英語脳」へのアップデート

私が教えているのは、ただの「解法」ではありません。脳の回路を物理的に「英語脳」へと書き換えるプロセスです。単に「一生懸命やれ!」という精神論とは無縁の、脳内OSを書き換える科学的プロセスであり、これは私が掲げる「英語教育維新」の核となるメソッドなのです。

英語の「音」をダイレクトに脳へ入力し、日本語を介さず「直聞&直読直解」する。 この訓練を積んだ者だけが、200wpmという、かつての受験生には未知の領域へ到達できます。

これは「才能」ではありません。 正しい訓練法(=英語脳を育てるアプローチ)さえ選べば、誰でも確実にスピードは上がります。「センス」とは無縁の、脳内OSを書き換える科学的プロセスそのものなのです。

竹槍でB29に立ち向かうのは、もうやめませんか? 医学的根拠と、残酷なまでの数字が示す現実。 その先にある「英語脳」という扉を、私と一緒に開けに行きましょう。

【正則英語学習法(5)】武器は「旧式」ではありませんか?

正則英語学習法

第5回:武器は「旧式」ではありませんか? ―AIという「黒船」と、共通テストの残酷な真実

加賀藩前田家が、いつ何があるかわからないという危機感から砂丘を開墾したことは前回触れました。今、私たちの前には、歴史上のどの危機よりも巨大な「黒船」が来航しています。それが「AIの登場」です。

AIは瞬時に翻訳し、要約し、膨大な情報を処理します。この革命的な変化は、社会のあり方だけでなく、当然ながら「入試」のあり方をも根底から変えてしまいました。

AIが変えた「求められる英語力」

目の前に立ちはだかる「共通テスト」。かつてのセンター試験とは、もはや別物です。なぜなら、AI時代には「文法」や「訳読」といった知識の切り売りは無価値であり、問われているのは「膨大な情報から瞬時に本質を抜き出す思考力と処理能力(200wpm以上の読解力)」だからです。

それなのに、多くの生徒たちはどうでしょうか。「文法」と「訳読」という、親の世代には通用したはずの「旧式の武器」だけで、この現代の戦場に挑もうとしています。それはまるで、火縄銃で最新のレーダー網を持つ敵に立ち向かうようなものです。

なぜ、誰も気づかないのか?

保護者の皆様はこう仰います。「私の頃は、このやり方で英語ができた」。教師たちも言います。「これが伝統的な受験英語だ」と。

しかし、その「かつての成功体験」こそが、今の子供たちの可能性を蝕む「毒」になっています。AIという黒船が来航した今、入試は「英語力」そのものを問う、全く異なるゲームに変わりました。この事実に気づかないまま戦うことは、それは、自分から『敗北のレール』を敷くようなものです。

多くの保護者の方は、定期テストで点数が取れている現状を見て『順調だ』と信じておられます。しかし、模試で化けの皮が剥がれるのは、戦場(共通テスト)がその『レール』とは全く別の場所にあるからです。

危機感という名の「開墾」を

今のままでは、どんなに頑張っても「金メッキ」すら剥がれ落ちていくでしょう。砂丘を開墾することなく、砂の上に城を建てようとしているのですから。

私は38年間、この地で英語を見つめてきました。 私が教えているのは、単なる英語の技術ではありません。AI時代の到来と、それに呼応して変わった共通テストという「現代の脅威」に対峙するために、いかにして「直聞&直読直解」の脳へアップデートするか。

前田家のように、生存をかけた知恵を絞りましょう。「今の武器(訳読式)では戦えない」ということに、いち早く気づいた者だけが、この過酷な時代を勝ち抜くことができるのです。(つづく)

【正則英語学習法(4)】英語の「土台」作り

正則英語学習法

第4回:グラウンドの「土」と、英語の「土台」

先日、ふと高校時代を思い出していました。私は野球部に所属しており、当時は甲子園の常連だった帝京高校のグラウンドが一種の「聖地」のように見えていました。

卒業後、縁あって東京の高野連で審判を務めることになり、練習試合などでその憧れの地に立つ機会をいただきました。そこで改めて知ったのが、あの周辺が「加賀」という地名であること。かつて加賀藩・前田家の下屋敷があった地であることを知ったとき、私は不思議な感覚を覚えました。

荒れ地であった砂丘を開墾し、百万石の礎を築いた前田家の生存戦略。 その歴史ある地の空気に触れながら、私はふと思うのです。

「英語も、野球も、同じ『土』から始まるのではないか」と。

グラウンドの土を整備し、足場を固めるからこそ、全力でプレーができる。 英語の知識も同じです。目先の点数という「金メッキ」を追いかけるのではなく、自分の手で一つひとつ、言葉という「土壌」を耕し、強固な土台を築く。

私が38年間、板橋の地で塾を続けてきたのは、そんな「自分自身で開墾できる人間」を育てたかったからなのかもしれません。

審判の立場から多くの勝負を見てきましたが、最後に勝つのは、常に「自分の足元(土台)を大切にできる選手」でした。

受験も同じです。 どうか、砂上の楼閣ではなく、自分自身の力で耕した「豊かな大地」の上を歩いてほしい。

実は、この前田家が砂丘を農地へと変えた過程には、現代を生きる私たちが驚くほどの『生存の極意』が隠されています。なぜ、彼らはあそこまで徹底して『土』にこだわったのか。その理由は、当時の厳しい國際(大名間)情勢と密接に関わっているのですが……。

この話は少し長くなりそうなので、また次回の楽しみにとっておきましょう。英語という『砂丘』をどう開墾するか。その具体的な戦略と共に、お話ししたいと思います。

今日は少し、私の思い出話にお付き合いいただきました。 次回のブログでは、また本題の英語学習の「核心」へ戻りましょう。それでは。(つづく)