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逆転の発想(5)―あなたの脳は、まだ明治を生きている

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訳を見るな

逆転の発想(5)―あなたの脳は、まだ明治を生きている

あなたは、英語の文章を読んで「理解した」と感じる瞬間、脳の中で何が起きているかをご存知でしょうか?

ほとんどの人は、英文を日本語の文章へと置き換える「翻訳作業」を脳内で行っています。そして、日本語に変換し終えた瞬間に「ああ、わかった!」と納得するのです。しかし、これは「理解」ではありません。ただの「日本語への置き換え」に過ぎません。

英語脳③

ここに一枚の図があります。この図は、英語を話せない被験者と、2か国語を話せる被検者の脳の反応を示しています。上は、日本語と英語が脳内の同じ場所で反応してしまっているという事実です。これは、英語を読んでいる時であっても、脳は結局「日本語の回路」しか使っていないことを意味します。

注目すべきは下で、2か国語を話せる被検者は「日本語脳」とは別に「英語脳」が育っていることです。音域(周波数)が異なるため、音声による学習が不可欠なのです。例えば、フィギュアスケートの解説者である高橋成美さん(りくりゅうの木原龍一選手の最初のペアパートナー)は7か国語を操りますが、彼女の脳のウエルニッケ言語野には、それぞれの言語に対応する7つの回路が独立して存在しているのです。

明治時代から150年以上続いてきた「訳読式」の弊害

学校で教わる「訳読」は、英語を英語のまま処理する回路を芽生えさせるどころか、日本語の脳を酷使し、英語の信号をすべて日本語というフィルターで上書きし続けています。これでは、どんなに勉強しても「英語脳」など育つはずがありません。あなたは、明治の先人たちが考案した「翻訳のための学習法」を、令和の現代においても忠実に守り続けているのです。

脳の回路は、使わなければ機能しません。英語を英語のまま理解する回路を使わず、常に日本語を経由させる習慣を続けていれば、英語はいつまで経っても「外国の記号」のままです。

AIが翻訳を代行してくれる現代において、人間が学ぶべきは「訳す技術」ではなく、「英語を英語のまま直接理解する技術」です。この明治の亡霊のような学習習慣から脳を解放し、新しい英語の回路を構築する――。それこそが、今あなたが取り組むべき、脳のアップデートです。