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正則教授法である「直聞&直読直解法」とは?

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英語訳読法は、返り点こそ付いてないのですが漢文訓読法を模倣したものです。訓読とは、漢文に返り点や送り仮名を施し、日本語に直して読むことを言います。日本語に直して理解するのですから、当然のこととして漢語(中国語)を話すことはできないのは分かると思います。

もし英語が英文訓読法、略して「英文」という科目名だったら、決して英語を話せるようにはならないということが分かっただろうと思います。英語訳読法、略して「英語」という名称なので混迷してしまったのではないでしょうか。英語を勉強しているのに、なぜ話せるようにならないのかと。

そもそも漢文訓読法というのは、平安時代に遣唐使の派遣が中止になり国風文化が発達した時代に始まり、江戸時代に入る少し前に今の形に集約されていったと言われています。遣隋使、遣唐使が派遣されていた奈良時代にはなかった方法です。

奈良時代に大学という場所で遣隋使や遣唐使のお供をする通訳が、漢文訓読法とは全く違う学習法で育てられていたのです。遣唐使の派遣が中止され、中国人と直接の交流がなくなった時代に漢文訓読法が発達したのです。

江戸時代に発達した蘭学は、漢学者が転向したケースが多く、返り点こそ付かないものの漢文訓読法に基づいています。従って、江戸で勉強していた蘭学者も、漢学者が中国語を話せないのと同様に、オランダ語を話せないのですが、当時は鎖国をしていたので話す必要はなかったのです。

一方、長崎の出島では幕府の役人の唐通詞や蘭通詞が働いていました。通詞というのは通訳官のことで、当然ながら中国語やオランダ語を話すことができます。江戸で漢学や蘭学を勉強していた学者たちは話せなくて、長崎で働いていた唐通詞や蘭通詞は話すことができるのです。

明治時代になって、横浜港で仕事をしていた外国人が英語を話しているのに気がつきます。舞台は英語の時代に変わったのです。そして多くの蘭学者が英学に転向します。福沢諭吉もその一人です。蘭学が漢文訓読法に基づいてたのと同様に、英学も訳読法が踏襲されます。でも、英語を話せないので「変則教授法」と呼ばれます。

一方、大学教育の伝統がない中で設立された官立の東京大学は、当初アメリカ人やイギリス人を教授にして始まりました。英語を話せなければ学べないので、塾で話せる英語を学んだ者たちが東京大学に進みました。今の予備校のようなもので、この学習法が「正則教授法」です。

明治時代の後半、英語のテキストの翻訳に成功し、英米人の教授に代わり日本人の教授が誕生し、正則教授法は必要なくなります。大量に輸入された英書を読んで西洋化が急ピッチで進んでゆきます。そのため、多くの日本人が訳読で西洋の事情を勉強し、近代日本が造られる土台になります。それで、英語教育は変則教授法と呼ばれた訳読法が普及し主流になっていくのです。

戦後、軍用機をベースにした旅客機が登場し世界が近くなります。また、1990年代後半にインターネットサービスが開始され一般家庭に普及するようになると、居ながらにして世界と繋がるようになります。2000年代にスマートフォンやWi-Fiの普及により、インターネットは私たちの生活に欠かせなくなります。

それに合わせて、英語教育の事情が変化します。西洋に追いつけ追い越せの時代に普及した文法・訳読法から、英語を話せるようになる直聞&直読直解法に切り換える必要が生じてきたのです。そのため、約10年の準備期間を経てセンター試験が共通テストに代わったのです。

現行の教育指導要領の英語は、コミュニケーション能力を着実に育てることを求めています。つまり、訳読ではなく、直聞&直読直解できる能力を求めています。だから、学校の英語教育で主流になっている文法・訳読法では歯が立たないのです。

訳読法が主流の高校生が英語を理解するスピードは50wpm~100wpmで、平均して約75wpm と言われています。wpmというのは words per minute の略で、1分間に理解できる単語数のことです。

共通テストのリスニングは140wpm で放送されるので、ほとんどの高校生が聞き取れないのです。また、リーディングは総単語数が約6,000語を80分で解かなかればいけないのですが、平均75wpmでは読むだけで終わってしまいます。実際には、解きながら進めていくので最後まで終わりません。

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