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ゆずと英語の魔法 第7話「英語のままで、声に出す」

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あき先生

ゆずと英語の魔法 第7話「英語のままで、声に出す

ある日の放課後。
ゆずはひとり教室で、英文を何度も口に出して練習していた。

The boy is eating a sandwich… the boy is…」

でも、途中でつっかえたり、言い直したり、なかなかスムーズに言えない。

そこへ、アキ先生が通りかかる。

「がんばってるね、ゆずさん」

ゆずは少し照れながら答える。

「英語を声に出そうとしてるんですけど、頭で訳しながらだから、うまく言えなくて…」

アキ先生はゆっくりと前の席に座った。

「いいところに気づいたね。“話す”って、実は“訳す”ことじゃない。むしろ“訳さない”ことなんだ」

「え?」

「日本語で“おにぎりを食べる”って言うとき、“I eat… rice ball…”って訳してからじゃなく、“I’m eating a rice ball.”って、場面ごと“英語で思い浮かべて”言う感覚。これが“直話”なんだよ」

「直話…?」

“直聞直解”で英語をそのまま理解する力がついたら、今度はそのまま“声に出す”。英語の語順で、英語の発想のまま、自然に言葉にしていく」

アキ先生は小さな紙芝居のように、いくつかの絵カードを見せてくれた。

犬がボールを追いかけている絵。
男の子がアイスを食べている絵。

ゆずさん、これを見て、“日本語を経由せずに”英語で言ってみようか」

「う、うん……えっと……The dog is… running after the ball!」

「いいね!今のは“訳してない英語”だよ。見たままを、英語で表現する。それが“英語を話す”ってことなんだ」

ゆずは驚いた顔をしながら、でもすぐに笑顔になった。

「そっか……話すって、“考えて訳すこと”じゃなくて、“感じて伝えること”なんだ!」

「その通り。だから“英語を英語のまま理解する”ってことが、話す力につながっていくんだよ」

その日、ゆずの声は少しずつ、でも確実に流れるようになっていった。

──訳さずに、見て、聞いて、感じて、そして話す。
言葉は、気持ちと世界をつなぐ魔法。
その魔法を、ゆずは使いはじめている。(つづく)

 

※次回 第8話「知らない単語があっても大丈夫?」乞うご期待!

 

 

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