
AI時代によみがえる英語正則教授法:脳OSをアップデートして起こす逆転合格
【第1回】私の人生を大きく変えた、絶望からの「脳内 OS」革命
「うちの子、英語の成績がどうしても伸びなくて……」
「毎日必死に単語帳を暗記しているのに、模試の長文になると全く時間が足りないんです」
そんな切実なご相談を、これまで数え切れないほど受けてきました。大手予備校に通わせ、有名な参考書を買い与え、それでもなお、子どもの偏差値は40台、あるいは30台で行き詰まっている。多くの親御さんが「うちの子には英語の才能がないのかもしれない」と、半ば諦めかけていらっしゃいます。
しかし、私はここで、はっきりと断言します。
お子さんの英語が伸びないのは、才能のせいでも、努力の不足のせいでもありません。脳の『OS(基本ソフト)』の使い方が間違っている。ただそれだけなのです。
私自身が経験した「偏差値28から72」のパラダイムシフト
偉そうなことを言っている私ですが、実は私自身のスタートラインは、それこそ目も当てられない状態でした。
高校時代は工業高校の機械科に学び、その後に進んだのも歯科技工士の専門学校。職人の世界を目指していた私は、いわゆる「受験勉強」とは完全に無縁の生活を送っていました。卒業後は念願の歯科技工士となり、大学病院などの医療の最前線で充実した日々を送っていました。当時の私の英語の偏差値は、言わずもがな、底辺の「28」。アルファベットは何とか分かっても、英語の文章など、ただの記号の羅列にしか見えない状態でした。
ところが、そんな私に人生最大の試練が訪れます。 突然の大病。医師から告げられたのは、これまで心血を注いできた歯科技工士の仕事を諦めざるを得ないという、非情な「ドクターストップ」でした。
一瞬にして職を失い、人生の道標を失った私は、まさに絶望のどん底に突き落とされたのです。しかし、「ここで終わるわけにはいかない」と、全くの未経験から大学受験の猛勉強を決意し、第二の人生へと舵を切りました。
この必死の転身の過程で、私はある「本質的な英語の学び方」に出会うことになります。
日本語に直さず、英語を英語のままダイレクトに捉える――その学び方を実践した瞬間、私の脳に凄まじい革命が起きました。結果、私の英語の偏差値は28から72へと爆発的に跳ね上がり、最難関と言われる慶應義塾大学の文学部に一発合格を果たすことができたのです。
「それは、あなたに特別な才能があったからでしょう?」
そう思われるかもしれません。しかし、本当にすごいのは、武蔵ゼミナール(現在は完全オンライン)で、私と同じ、いやそれ以上の驚異的な逆転劇が、毎年のように「必然」として起き続けているという事実です。
偏差値32から早稲田、38から明治、42から東大へ
当塾にやってくる生徒たちの多くは、最初はどこにでもいる「英語に絶望した子どもたち」です。
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偏差値32からスタートし、英語を完全に武器にして早稲田大学に逆転合格した生徒
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偏差値38から、驚異的なスピードで長文を読めるようになり明治大学に合格した生徒
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偏差値42という壊滅的な状態から、最高峰の東京大学に合格した生徒
彼らだけではありません。偏差値を20以上アップさせ、それまでは本人にとっても親御さんにとっても「夢でしかなかった憧れの第1志望校」の合格通知を掴み取った生徒たちが、文字通り山ほどいるのです。そして彼らは一様に、最終的には偏差値70の壁を軽々と超えていきました。
なぜ、このような奇跡のような大逆転が、武蔵ゼミナールでは日常茶飯事のように起きるのでしょうか?
理由は一つしかありません。彼らが努力の量を増やしたからではなく、脳の中に「英語専用の新しい部屋」を作ることに成功したからです。つまり、これは科学的学習法なのです。ごく一部の人しかできないことは「奇跡」と呼び、誰でも同じようにできることは「科学」と呼びます。
100人中99人が「不良品」になるラインを回し続ける日本の英語教育
かつて私が大学生だった頃、日本の英語教育界の最高峰に位置する、ある東京外国語大学の名誉教授の講演を聞く機会がありました。その時、その教授が放った雷のような一言が、今でも私の脳裏から離れません。
「日本の英語教育は完全に間違っている。クラス40人中、英語が本当にできるようになる生徒は一人いるかどうかだ。他の産業に、これほど生産性の低いおかしな話があるだろうか」
私は以前、歯科医療・歯科技工の現場にいました。医療の世界では、新しい優れた技術が登場すれば、私たちは卒後研修などで死に物狂いで自らの技術をアップデートします。なぜなら、結果(患者さんが噛めるようになること)が出ない古い技術にしがみついていれば、即座に淘汰されるからです。
しかし、日本の英語教育界はどうでしょうか。
学校で6年間、大学を入れて10年間も英語を学ばせながら、国民のほとんどが「話せない、聞き取れない」という惨憺たる結果(他産業なら9割以上が不良品という大リコール問題です)を出しているにもかかわらず、いまだに150年前、もっと言えば1000年前の漢文訓読の時代から変わらない「文法・訳読式」の授業を主流派として続けています。
誰もその「生産性の低さ」の責任を取ろうとせず、できない原因を「生徒の努力不足」にすり替えている――これこそが、日本の英語教育の最大の「膿(うみ)」なのです。
次回予告:あなたの脳を科学的に診断します
武蔵ゼミナールが38年間、一貫して提唱し、生徒たちに授けてきた「直聞&直読直解法」。これは、単なる私の経験則から生まれた学習テクニックではありません。
次回は、ある大学医学部の名誉教授が発表した、衝撃的な「脳のパノラマ画像(fMRI)」をお見せします。
英語ができる人とできない人で、脳の血流がどのように異なっているのか。なぜ「文法・訳読式」の勉強を続けると、どれだけ努力しても英語脳の基礎工事すら始まらないのか。その不都合な真実を、科学のエビデンスを持って完全に白日の下に晒します。
お子さんの脳のOSを、一気に最新バイリンガル仕様へと書き換える旅。
どうぞ、次回の連載を楽しみにお待ちください。
(第2回へ続く)