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【脳科学アプローチ⑦】共通テスト・英語の罠

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平均点の嘘

AI時代によみがえる英語正則教授法:脳内OSをアップデートして起こす逆転合格の必然

【第7回】共通テスト・英語の罠:あなたの子供が「平均点」で安心すると即死する理由

「うちの子、模試の英語で平均点くらいは取れているから、まぁ大丈夫かしら」 もしあなたがそんな風に考えているなら、今すぐその認識を捨ててください。

受験界のヤブ医者たちは、よく「平均点」をベースに志望校の判定や学習アドバイスをします。しかし、断言します。現代の大学入学共通テストにおいて、英語の「平均点」には何の意味もありません。

なぜなら、現在の共通テスト英語の点数分布は、私たちがかつて経験したような「真ん中が一番多い山型のグラフ(正規分布)」にはなっていないからです。そこにあるのは、教育界がひた隠しにする、残酷な「二極化」の現実です。

真実①:グラフに現れる「ふたこぶ(二峰性)分布」の怪

現在の共通テスト(そして先進的な県立高校の入試)の英語の点数を統計グラフにすると、明確に「2つの山(ふたこぶ)」が現れます。

  1. 【爆速グループの山】: 80点〜満点付近にそびえ立つ巨大な山。

  2. 【絶望の訳読グループの山】: 30点〜40点台に滞留する重い山。

そして、世間で言われる「平均点55点」という数値は、この2つの山の間の「ほとんど誰も人がいない谷底」を指しているに過ぎません。

つまり、共通テスト英語の本質は「みんなが平均点付近にいる試験」ではなく、「圧倒的に時間が余って高得点を叩き出す2割」と「時間が全く足りずに文字通り玉砕する8割」に完全分裂する試験なのです。平均点付近で安心している生徒は、安心しているのではなく、単に「玉砕グループの最前列」に並んでいるだけです。

真実②:「分速75単語」の生徒が、制限時間内に解き終わる確率は0%

なぜ、これほどまでに残酷な二極化が起きるのか。理由は至ってシンプルです。文科省が共通テストの仕様を「処理速度重視の実用英語(リーディング総単語数約6,000語)」へと完全に切り替えたからです。

ここで、冷徹な算数の計算をしてみましょう。

  • ・試験時間: 80分

  • ・総単語数: 約6,000語

  • ・必要な読解速度: 最低でも200wpm(分速200単語)以上。※設問を解く時間を考慮すると、このスピードが絶対条件です。(30分で1回目、もう30分で2回目を読み、残り20分で解答。)

分速75語

これに対して、学校や従来の塾で「返り読み・訳読式」の授業を受けている一般的な高校生の読解速度は、平均75wpm(分速75単語)しかありません。

要求されているスピードの半分以下です。75wpmの生徒が6,000語の試験に挑めば、「ただ読むだけで制限時間の80分が終了する」のは、根性論ではなく100%の物理的・数学的な必然なのです。だから、後半の長文が丸々手つかずになり、30点〜40点台の山に沈んでいくのです。

実用中国語を「漢文訓読法」で解こうとする頓珍漢

今の日本の英語教育の現場がやっていることは、例えるなら「北京の街中で飛び交う実用中国語のスピード試験を、レ点や一・二点を用いた『漢文訓読法』で必死にひっくり返して解こうとしている」ようなものです。

やっていることの方向性が、根本から「頓珍漢(とんちんかん)」なのです。

一方で、140wpmという爆速で流れてくる共通テストのリスニング音声に対し、当塾の生徒や帰国子女たちは、涼しい顔で時間内に満点近くを解答していきます。なぜなら、彼らは頭の中に「直聞&直読直解」の最新OSを積んでおり、最初から200wpm以上のスピードで英語を英語のまま処理しているからです。

勉強の量を増やす、参考書を増やす、そんな小手先の対策ではこの「速度の壁」は絶対に越えられません。 必要なのは、勉強方法を根本から変え、脳のOSをアップデートすることだけなのです。

(第8回へ続く)