武蔵ゼミナール
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日別アーカイブ: 2026年10月21日

40年前のイギリスで目撃した「本当のハロウィン」

イギリスのハロウィン

今やすっかり日本でも定着した秋の風物詩、ハロウィン????。 街のあちこちでオレンジ色のカボチャを見かける季節になりましたが、この時期になると思い出す光景があります。

それは今から約40年前、大学卒業後にイギリスの英語学校へ留学していた時のことです。当時の日本ではハロウィンなどまったく馴染みがなく、私は現地で初めてその文化を肌で体験することになりました。直後の11月5日にガイ・フォークス・ナイトと呼ばれる伝統的な祭りが大規模で行われるため、どちらかと言うとハロウィンは控えめなイベントでした。

カボチャではなく「カブ」だったランタン

今ではカボチャをくり抜いた「ジャック・オー・ランタン」が定番ですが、当時は違いました。本場イギリスで使われていたのは、なんと「カブ」のランタンだったのです。(のちにアメリカへ文化が渡った際、収穫量が豊富で加工のしやすいカボチャに代わっていったそうです)

夜のイギリスの街角で、カブの不気味でどこか温かい光が揺れている光景は、日本にはない独特の異国情緒を漂わせていました。

日本のお盆とは真逆?「悪霊から身を守る」祭り

日本のお盆は、ご先祖様を温かくお迎えし、感謝と供養をする穏やかな行事です。 しかし、ハロウィンのルーツである先住民の古代ケルト人の収穫祭(サウィン)では、この時期にあの世とこの世の境界が消え、ご先祖様だけでなく悪霊や魔女なども一緒にやってくると信じられていました。

そのため、恐ろしい姿に仮装して悪霊たちを驚かせて追い払ったり、魔除けの火を焚いたりして身を守る――それが本来の目的でした。

現代のようなアニメキャラクターやポップなコスチュームではなく、本来の仮装は恐ろしい悪霊に人間だと気づかれないよう、自分たちも化け物の格好をして身を守る(あるいは悪霊を驚かせて追い払う)ための魔除けでした。古代ケルト人は、動物の皮や頭骨を身にまとったり、顔を黒く塗ったりしていたとされています。

当時は「実戦さながら」の厳戒態勢

現代ではすっかり商業的で穏やかなイベントとして、アメリカ経由で日本などにも輸入されていますが、当時はまったく違いました。

子どもたちがいたずらで、玄関のポストや窓の隙間から物や花火などを投げ込むことが社会問題になっており、当日の朝になると家の住人は玄関のポストや窓にしっかりと目張り(テープ)を貼って身を守るのが当たり前でした。(「Trick or Treat!(お菓子をくれないと、いたずらしちゃうぞ!)」当時は本当にいたずらをしていたのですね。今では厳しくなって、そんなこともなくなっているそうです。)

外を歩く子どもたちをお菓子で迎えつつも、家の中には霊や厄介な災いが入ってこないようにしっかりと備える。穏やかな仮装パレードの裏側にある、そんなリアルな緊張感と歴史の重みを体感したことは、今でも鮮烈な思い出として残っています。

形を変えて世界中に広まったハロウィンですが、そのルーツにある歴史や文化の背景に思いを馳せてみると、また違った味わいが見えてくるものです。