武蔵ゼミナール
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日別アーカイブ: 2026年10月29日

【英語教育維新②】なぜ日本人は「返り読み」をやめられないのか?

英語教育維新

平安時代の漢文訓読から続く1100年の呪縛を解く

「英語を英語の語順のまま理解しようとしても、どうしても頭の中で日本語に並べ替えてしまう……」

そう悩む受験生や英語学習者は少なくありません。しかし、なぜ私たちはこれほどまでに「返り読み(訳読)」から抜け出せないのでしょうか?

実はその原因は、明治時代の英語教育(150年)どころか、遡ること1100年前、平安時代の「漢文訓読法」の誕生にまで深く根ざしています。

1. 奈良時代は「音」で外国語を学んでいた

驚くべきことに、日本で最初に本格的な外国語(中国語)の専門家を育成していたのは、奈良時代に遡ります。

当時は遣隋使や遣唐使の船に同乗する「通訳官」を養成するため、奈良の都に「大学」が置かれ、生徒たちは現地で通用する生きた中国語の「音」を徹底的に学んでいました。

つまり、かつての日本にも確実に「音声から入る外国語習得(生のコミュニケーション)」の時代が存在していたのです。

2. 平安時代、交流の断絶が生んだ「漢文訓読法」という名の妥協

しかし、その状況が一変します。寛平6年(894年)、菅原道真公の建策により遣唐使の派遣が中止され、中国大陸との公式な交流が途絶えてしまいました。

生きた「音」を聞く機会、そして本場の人間と直接対話する環境を失った日本人は、大きな壁にぶつかります。大陸の高度な知や文学を吸収するため、音の代わりに編み出されたのが、文字の順序を強引に入れ替えて日本語の語順に組み立て直す「漢文訓読法(レ点・返り点)」でした。

この「後ろから前へ戻って読む」という技法は、江戸時代の蘭学、そして明治以降の英学(英語教育)へとそのまま受け継がれました。つまり、私たちが学校で習う「文法訳読式(返り読み)」とは、1100年前に音を失った日本人が生み出し、脳の奥深くに刻み込まれてきた「独自の外国語処理システム」そのものなのです。

3. インターネット時代の今、1100年前のシステムは「足かせ」でしかない

先人たちが文献を読み解くために発達させた「訓読(返り読み)」は、当時は素晴らしい知恵でした。

しかし、インターネットを通じて日本にいながら世界とリアルタイムで繋がり、AIが瞬時に翻訳を行ってくれる現代において、この「脳内変換システム」は時代遅れを通り越して、英語力を縛り付ける巨大な足かせとなっています。

返り読みをしていては、

  • ・ネイティブのリスニングスピードに脳の処理が追いつかない

  • ・長文読解で膨大な情報量を処理できず、時間が足りなくなる

  • ・脳のワーキングメモリが「訳す作業」だけでパンクしてしまう

という壁に必ずぶつかります。

まとめ:今こそ「正則・直聴直解法」という英語教育維新を!

1100年前、音を失ったがゆえに「訳して読む」道を選ばざるを得なかった私たち日本人。しかし、音声インフラが完璧に整った現代において、その古い歴史的呪縛を引きずり続ける必要はもうありません。

「翻訳されたものを後からありがたく受け取る側」ではなく、「英語のままダイレクトに受け止め、主体的に発信し、世界と対等に向き合う側」へ。

学校の授業の仕組みを変えることはできなくても、あなた自身の「英語との向き合い方」を変えることは今日からでも可能です。「訳す」のをやめ、まずは左から右へ英語をそのまま受け止める「正則・直聴直解法」へ。

この正しいステップを踏み出すことこそが、受験という限られた時間を最大限に活かし、難関大の扉をこじ開けるとともに、新しい時代を生き抜くための真の「英語教育維新」なのです。

【英語教育維新①】なぜ日本人は「返り読み」をやめられないのか?

英語教育維新

1100年前の漢文訓読から続く呪縛を解く

「英語を英語の語順のまま理解しようとしても、どうしても頭の中で日本語に並べ替えてしまう……」

そう悩む受験生や英語学習者は少なくありません。しかし、なぜ私たちはこれほどまでに「返り読み(訳読)」から抜け出せないのでしょうか?

実はその原因は、明治時代の英語教育(150年)どころか、遡ること1100年前、平安時代の「漢文訓読」にまで繋がっています。

1. 日本人の脳に染みついた「1100年の歴史的DNA」

平安時代、先人たちは外国語である中国語(漢文)を読む際、語順を入れ替えて日本語として理解するために「レ点」や「返り点」を生み出しました。

文章を上から下へ素直に読むのではなく、「後ろから前へ戻って日本語の語順に組み立て直す」という特殊な技法です。

この技法は、江戸時代の蘭学、明治時代の英学(英語教育)へとそのまま引き継がれました。つまり、私たちが学校で習う「文法訳読式(返り読み)」は、1100年かけて日本人の脳の奥深くに刻み込まれた「独自の外国語処理システム」なのです。

歴史的な「様式美」とすら言えるこのシステムがあったからこそ、先人たちは海外の膨大な知識を日本語に翻訳し、吸収することができました。しかし、時代は大きく変わりました。

2. 現代において、1100年前のシステムは「足かせ」でしかない

インターネットを通じて日本にいながら世界とリアルタイムで繋がり、AIが瞬時に高精度な翻訳を行ってくれる現代において、この「脳内変換(返り読み)」システムは完全に時代遅れとなり、むしろ大きな足かせとなっています。

返り読みをしていては、

  • ・流れるようなネイティブの英語(リスニング)スピードに対応できない

  • ・膨大な情報量の長文読解で時間が足りなくなる

  • ・脳のワーキングメモリが「訳す作業」だけでパンクしてしまう

という壁に必ずぶつかります。AIが翻訳を代行してくれる時代に、人間がわざわざ頭の中で「重たい翻訳作業」をやり続ける意味はありません。

3. 「受け取る側」から「主体的に世界と向き合う側」へ

1100年前の漢文訓読以来、日本人は常に「外国の文献を日本語に直し、ありがたく受け取る側」でした。

しかし、これからの時代を生きる子どもたちに求められているのは、「英語のままダイレクトに受け止め、主体的に発信し、世界と対等に向き合う力」です。

まとめ:今こそ「正則・直聴直解法」という英語教育維新を!

1100年続いた歴史的・構造的な呪縛を解きほぐすこと。それこそが、当塾が目指す「正則・直聴直解法」の真髄です。

語順のまま、音とともにダイレクトに意味やイメージを捉える「正則英語」の回路を作ることは、単なる受験のテクニックではありません。子どもたちを過去の呪縛から解き放ち、新しい時代へ羽ばたかせるための真の「英語教育維新」なのです。

「訳す英語」を終わりにし、英語のまま世界と繋がる一歩を、今日から踏み出してみませんか?

文法訳読式の授業の矛盾

直聴直解

すぐれたプロの翻訳者も英語のまま読んでから、それを日本語に的確に翻訳しています。すると、学校でされている文法訳読式の授業はまったく意味をなさず、まずは直読直解できるようにすることが先決ではないでしょうか?

プロの翻訳者は「英語のまま読んで(直読直解)、その後に日本語を構築する」というプロセスをたどります。この観点から見ると、学校教育で「一文一文を後ろから返り読みして日本語に直す」ことをゴールにする文法訳読式の授業は、翻訳の訓練としても、英語の習得としても、大きな矛盾を抱えていると言わざるを得ません。

「まずは直読直解(左から右へ、英語の語順のまま理解)できるようにする」ことを先決とするのが、言語習得の自然なステップです。

では、なぜ日本の学校現場ではこの矛盾した勉強法が続いており、最初から直読直解を教えないのでしょうか。そこには以下のような構造的な理由(あるいは言い訳)があります。

なぜ学校は「直読直解」を先決にしないのか?

「知識のテスト」のしやすさ:日本の英語教育(特に受験)は長年、英語ができるかという「能力」ではなく、文法規則を知っているかという「知識」を測るものでした。日本語に訳させる問題は、生徒が文法構造を理解しているかを採点者が一目で判別しやすいため、テスト運営上の都合で重宝されてきました。

教師の指導力と環境の限界:クラス全員に「英語を英語のまま処理する感覚」を身につけさせるには、大量の英語をインプット(多読・多聴)する環境や、日本語を排したインタラクティブな指導が必要です。しかし、1コマ50分、週に数回、かつ大人数のクラスでは、日本語で文法を講義して訳させるスタイルの方が「授業をコントロールしやすい」という現実があります。

「母語(日本語)の思考力」への依存:日本の学校は、英語教育を「論理的思考力を養う(日本語を深く考える)」ための一手段として捉えてきた側面があります。英語をパッと理解させるよりも、日本語と対比させて「なぜこの訳になるのか」を議論させる国語的なアプローチが伝統的に好まれてきました。

「文法訳読式」をいくら続けても、英語を「言語」として使いこなす日は来ません。いったいいつまで、学校はこの矛盾した構造に受験生の大切な時間を費やさせ続けるのでしょうか?

翻訳家がプロとして成立するのは、土台に「直読直解」の力があるからこそです。語順が逆の「文法訳読式」から脱却し、まずは左から右へ英語をそのまま受け止める。この「正則英語」のステップを踏み出すことこそが、難関大合格と一生モノの英語力を引き寄せる最短のショートカットなのです。

 学校の授業の仕組みを変えることはできなくても、あなた自身の「英語との向き合い方」を変えることは今日からでも可能です。「訳す」のをやめ、まずは左から右へ英語をそのまま受け止める「正則・直聴直解法」へ。この正しいステップを踏み出すことこそが、受験という限られた時間を最大限に活かし、難関大の扉をこじ開ける唯一の近道なのです。