武蔵ゼミナール
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月別アーカイブ: 2025年7月

「訳読中心主義」の限界

634seminar(1)

今、英語教育の「構造」が問われています

—— 教える立場から見直す「訳読中心主義」の限界と次の一手

◆現在の大学入試、特に共通テスト以降の英語では、「英文を読む」から「英語を処理する」へと重心が移っています。つまり、従来の「文法・訳読」中心の指導では対応が難しい設計になってきているのです。

◆例えば、英語長文を1分間に225語以上のスピードで読まなければ、時間内に問題を処理するのは困難です。しかし、現場の高校生の平均は約75wpm(語/分)。これは明らかに「訳読スタイル」がボトルネックになっている証拠です。少なくとも、現状の3倍速である225wpm(語/分)が必要です。

◆実は、明治時代には「直聞&直読直解法」が「正則教授法」とされ、本来はこちらが標準でした。一方で、現在主流の訳読法は「変則教授法」として導入された経緯があります。教育の目的が「情報理解」から「国際的コミュニケーション能力」に変化した今、教育法も原点回帰すべき時期に来ているのではないでしょうか。

◆この変化は、英語教育の「革命」ではなく、むしろ「維新」あるいは「王政復古」とも言えます。つまり、入試制度の方が先に未来型英語力を求め始め、現場がまだ追いついていないというギャップが現れているのです。

◆当塾ではこの現状を踏まえ、「英語を英語のまま聞き取る」「英語を英語の語順で理解する」ための《直聞&直読直解法》を軸に指導を行っております。これにより、英語のまま処理し、速く・正確に・深く理解する力を育てています。

 

※入塾を検討されている方は入塾面接をお申し込みになり、前もって「★入塾面接の栞」をお読みください。⇒事務局&研究会 | 武蔵ゼミナール (english634.com)

(※毎年7月中旬、期末テストが終わると《入塾面接予約》が集中して、入塾面接ができなくなります。お早めに入塾面接を済ませてくださるようお願いします。)

全国どこでも自宅でオンライン授業
★武蔵ゼミナール大学受験英語塾
https://www.english634.com

さとると英語の方程式 第3話「”かたまり”で読むってどういうこと?」

さとる図

さとると英語の方程式 3話“かたまり”で読むってどういうこと?」

〜さとる、スラッシュ・リーディングに出会う!〜

授業が終わった後の自習室。静かな空気の中、さとるは長文問題集を開いていた。

(さとる・心の声)
「単語は何となくわかる。でも、読んでるうちに迷子になる
一文が長すぎて、途中で何が言いたいのかわからなくなるんだよな…」

そこへ、アキ先生がふらりとやってきた。

アキ先生:
「どうだ? 長文の調子は」

さとる(苦笑い):
「読むだけで疲れます…。
単語は拾えるんですけど、文の意味になると、頭が止まるんです」

アキ先生は、さとるの問題集をのぞき込む。

アキ先生:
「それ、全部を一気に理解しようとしてるだろ?
英語は“かたまり”で読んだ方が、楽になるぞ」

さとる:
「かたまり…?」

アキ先生は紙に1文を書いた。

I know the reason / why he didn’t come / to the party / today.

アキ先生:
「スラッシュで区切ったこの“かたまり(チャンク)”が、英語の意味のまとまりなんだ。
こうすると、文の流れを追いやすくなる

僕は理由を知っています / 彼が来なかった(理由を) / パーティーに / 今日 / ってするとどうかな?」

さとる(目を見開いて):
……あ、なんか読みやすい」

アキ先生:
「文のはじめから“意味のかたまり(チャンク)”ごとにスラッシュを入れて、前に戻らずに読み進める。
これが“スラッシュ・リーディング”ってやつさ」

さとる(心の声):
「英語って、かたまり(チャンク)で進む言葉だったのか…!」

アキ先生:
「読むことは、“理解する”ことだ。
スラッシュで区切れば、英語の“思考の流れ”が見えてくるよ」

(ナレーション)
その日、さとるの目に、はじめて英語の“流れ”が見えはじめた。

英語のリズム。英語の呼吸。
文の意味は、“語順”と“かたまり(チャンク)”に宿っていた。(つづく)

 

 

【次回予告】

4話「“日本語訳ナシ”で、読めるのか?」
〜さとる、英語のまま“感じる”ことを知る〜

 

 

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さとると英語の方程式 第2話「英語の語順で考えるって?」

さとる図

2話「英語の語順で“考える”って?」
  ~日本語に直す前にできること~

 

塾の帰り道。夜風がほんの少し、秋の匂いを運んでくる。

さとるは、自販機の前で水を買いながら、今日の授業を思い返していた。

 


 

(さとる・心の声)
This is the reason・・・why I decided ・・・ to try a new method.
「これが理由です・・・僕が決めた(理由です)・・・新しい方法を試すことに」か。

でも、なんで「This is the reason why…」っていう順番になるんだ?
日本語なら、「僕が新しい方法を試すことに決めた理由は、これです」ってなるのに。

 


 

教室で、アキ先生の声がよみがえる。

 


 

アキ先生(やさしく)
「英語の出てくる順に意味を取るんだよ。
まず“これが理由です・・・僕が決めた(理由です)・・・新しい方法を試すことに”と。
だから、英語の語順のまま受けとめることが大切なんだよ」

 


 

さとる(心の声)
…そうか。日本語と英語では、出てくる順番の“考え方”が違うんだ。

 


 

駅に向かう足が、少しだけ軽くなった。

 


 

さとる(心の声)
「英語の語順って、意味があるんだな。
“なんでこの順番?”って考えることが、理解のカギになるのかもしれない」

 


 

夜の空に、駅のホームの光がにじんでいた。
その光は、どこか未来につながっている気がした。(つづく)

 

【次回予告】(全12話)
3話「“かたまり”で読むってどういうこと?」
~さとる、スラッシュ・リーディングに出会う!~

 

 

 

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さとると英語の方程式 第1話「決意の理由」

さとる図

さとると英語の方程式 第1話「決意の理由」

【登場人物】

さとる(高3男子)
 理系志望。英語はずっと苦手で避けてきたが、大学受験の壁に直面して本気で向き合うことに。
 志望校は早稲田大学・理工学部。偏差値52からスタート。

アキ先生(英語科の男性教師)
 やさしくて、生徒思い。話しかけやすく、新しい学習法にも理解のある指導スタイル。
 直聞直解・直読直解法をさとるに提案する。

 


 

授業が終わった後の静かな教室。
さとるは英単語帳を閉じ、ため息をついた。

さとる(心の声):
「英語だけがどうしても伸びない…。理系の問題は解けるのに、英語の長文になると頭が止まるんだ…」

そのとき、アキ先生が廊下から姿を現す。

アキ先生:
「お、さとる。まだ残ってるのか? 英語の勉強か?」

さとる:
「先生…正直、文法も長文もグチャグチャで…。何やってもダメで…。理系なのに、英語が足引っ張ってます。」

アキ先生は、教卓から一枚のプリントを取り出した。

アキ先生:
「これはどうかな?」

そこには、1文だけ書かれていた。

This is the reason why I decided to try a new method.

さとる:
……これは?」

アキ先生:
「君が今、まさに言いたかったことを、英語で書くとこうなる。」

さとる:
「え…ぼくが?」

アキ先生:
“これが、新しい方法を試すことにした理由なんです”――そう言いたかったろ?」

さとる(驚き):
……まさに、それです。」

アキ先生は笑って言った。

アキ先生:
「この文を、“英語の順番のまま”で理解できるようになれば、
 訳さずに、すっと意味が入ってくるようになる。
 それが“直読直解”ってやつだ。」

さとる(心の声):
「訳さない…? 英語のままで……理解?」

その言葉が、胸の奥にひっかかった。

ナレーション:
その日、さとるははじめて「訳さない英語」という世界に触れた。
迷いの中にいた彼の前に、一本の“方程式”が現れようとしていた。(つづく)

 


 

【次回予告】(全12話)

2話「英語の語順で“考える”って?」
~日本語に直す前にできること~

 

―― 解けないのは「才能」じゃなく、「解き方」だった。――

英語が苦手。読めない、聞き取れない。
そんな悩みを抱える高校生は、今もたくさんいます。
でもそれは、あなたに才能がないからではありません。
ただ「やり方」が、今の時代に合っていないだけかもしれません。

かつての「英語」は、文法を暗記して、訳して理解するものでした。
でも今の入試は、本物の英語――つまり英語のまま理解し、瞬時に使う力を求めています。

この物語の主人公・さとるも、英語でつまずいていました。
でもある日、「まったく違うやり方」に出会います。
それは、“英語をそのまま感じ取る”という方法でした。

数式が「変形のルール」に気づけば一気に解けるようになるように、
英語も、「理解のルール」を変えるだけで、驚くほど変わります。

さとるの成長の物語を通して、
あなたの中にも眠っている“英語の回路”を、見つけてみてください。

 

 

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英語脳を作る「直聞&直読直解法」

英語脳

日本語に訳さず、英語のまま理解する力を身につけませんか?

英語日本語の翻訳プロセスを飛び越す リアルタイムで英語が理解できる 英語で考える習慣が身につく

翻訳に頼らない、3か月で偏差値15UPする本物の英語力を手に入れよう!

#英語学習 #直読直解 #直聞直解 #英語脳

 

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「直聞&直読直解法」で劇的に変わる学習法

634seminar(1)

高3男子・S君「平均点ぐらいだったのに、この学習法を3ヶ月続けたら90点以上取れるように!長文で時間が余るなんて…」

  • 英語の長文を見ると頭が痛くなる
  • 返り読みばかりで時間がかかる
  • テストで時間が足りない
  • リスニングで音について行けない

実は、これ全部同じ原因です。

多くの高校生が英語で苦労するのは、「日本語に訳しながら読む癖」があるからです。

例:Tom studied history in the library yesterday.

✕今までの読み方

「トムは昨日図書館で歴史を勉強した」
(後ろから返り読み)

◎直聞&直読直解の読み方

「トムは勉強した/歴史を/図書館で/昨日」
(前から順番に理解)

直聞&直読直解法とは、日本語に訳さず、英語のまま「あ、そういうことか!」と分かる方法です。プロの通訳者が使う技術を高校生向けにしたものです。

  • 速読の実現:訳さないから圧倒的に速い
  • リスニング力アップ:直読直解の力が直直解に転化
  • テストで余裕:時間が余るようになる

Step 1: 英語の語順で考える
“I study English.” → 「私は/勉強する/英語を」
完璧な日本語にしなくてOK!

Step 2: シャドーイング
英語音声を聞きながら影のように発声
「聞く」「理解する」「話す」を同時に鍛える

Step 3: リピーティング
短い英文を聞いて繰り返す
慣れたら長い文にチャレンジ

困った①「分からない単語で止まる」
→ 知ってる単語だけで流れを掴もう!

困った②「日本語で考えてしまう」
→ 最初は英語⇔日本語の素早い往復でOK

困った③「長い文が分からない」
→ みんな同じ!焦らずコツコツと

★3か月で偏差値15UP!

英語の長文が怖くなくなる日は必ず来ます。

3ヶ月後の自分が楽しみになりませんか?今日から始めましょう!

 

 

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英語のまま理解できる新学習法(1)

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英語長文、もっとスラスラ読めるようになりたくありませんか?

「長文が時間内に終わらない…」「リスニングが苦手…」「選択肢が全部同じに見える…」

そんな悩み、実は“日本語に訳して理解する”クセが原因かもしれません。

今、求められるのは「英語を英語のまま理解する力」。

当塾では「直読直解法」や「直聞直解法」で、読む・聞く・覚える力を一気に高めます!

文章を返り読みせずに読めたときの感動を、ぜひ無料授業体験で実感してみてください!

 

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ゆずと英語の魔法 第12話「魔法の旅のつづき」

あき先生

ゆずと英語の魔法 第12話「魔法の旅のつづき」

英語で生きる力を、私たちに〜

春の風が校舎を吹き抜ける午後。
3学期の終わり、ホームルームの後。
ゆずはひとり、窓際の席でノートを見つめていた。

そこには、英語で書かれた文章があった。
すべて、自分の言葉、自分の気持ちで綴ったもの。

“Learning English used to be scary.
But now, it feels like a part of me.”

いつのまにか、英語は「勉強」から「表現」へと変わっていた。

そこへアキ先生が静かにやって来て、隣に座った。

「ゆず、英語、楽しんでるね」

「はい……怖くなくなりました。
間違えても大丈夫って思えるようになったんです」

「それが、一番大事なことだよ」

先生は少し空を見上げて、続けた。

「これから、受験やその先の人生で、英語が必要になる場面は何度もある。
でもね、英語を“自分のもの”として感じている人は、そこで迷わない」

ゆずは、静かにうなずいた。

「英語の“魔法”って、言葉が通じるだけじゃないんですね」

「うん。“世界が広がること”。それが、本当の魔法だよ」

——そう、ゆずは思った。

ただ点数のために英語を覚えるのではなく、
ただ文法を正確に訳すのでもなく、

自分の気持ちを英語で言ってみる
相手の言葉を英語でそのまま受けとめる
——それこそが、これからの時代に必要な「英語の力」なんだと。

放課後。
ゆずはノートを閉じて、教室を出た。

校門の向こうに広がる空のように、
英語でつながる未来が、自分を待っている。

“Now, I’m ready.
Let’s go to the world beyond the words.”

それは終わりではなく、
新しい旅のはじまりだった。(完)

 


 

【エピローグ:読者へのメッセージ】

この物語は、フィクションでありながら、
日本の英語学習者すべてに贈る“リアル”です。

かつて自分自身が浪人生として英語学習で体験したことを高2女子生徒のゆずとして物語にしてみました。物語の中では、私はアキ先生として登場しています。

訳さずに、感じる英語。
英語を英語のまま理解する「直聞&直読直解法」は、
誰にでもできる、新しい学び方です。

あなたの中にも、英語の魔法はきっと、芽生えています。

——ゆずのように、一歩を踏み出してみませんか?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

――「英語」は、才能じゃなくて“方法”だった。――

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この物語に登場する学習法は、決してファンタジーではありません。
英語を英語のまま理解する「直聞・直読直解法」は、すでに実践され、成果を上げている現実のメソッドです。

共通テストの英語は、塾では毎年リスニングとリーディングでそれぞれ100点満点が続出しています!中には合計200点満点も生徒もいます。また、ほとんどの生徒がリスニングとリーディングそれぞれ90点以上、合計で180点以上取っています。

今も多くの高校生が、「訳して理解する英語」の中で苦しんでいます。

でも、英語は本来、もっと自然に、もっと速く、もっと楽しく理解できる言語です。
それを実感したとき、英語の見え方も、世界の見え方も変わるはずです。

これからの学びが、あなたにとって“使える本物の英語”との出会いになりますように。
また次の物語でお会いしましょう。

 

 

ゆずの後日談「最初は、私も“英語って暗号みたい…”って思ってました。でも、英語をそのまま感じる方法があるって知ってから、ほんの少し自信がついたんです!」

 

 

 

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ゆずと英語の魔法 第11話「英語で夢を見た日」

あき先生

ゆずと英語の魔法 第11話「英語で夢を見た日」

ある春の夜。
ゆずは、少し疲れてベッドに倒れ込むように眠りについた。
テスト勉強で詰め込んだ英単語、聞き取れるようになってきたフレーズ、アキ先生との対話……
さまざまな言葉が、頭の中をふわふわと漂っていた。

……そして、その夜——
ゆずは夢の中で、英語の世界に立っていた。

―――

夢の中。
海外のカフェのような場所。あたたかい午後の光が、テーブルをやわらかく照らしている。

カウンターで、ゆずは注文をしようとしていた。

Can I have a cup of tea, please?」

自分の口から自然と英語が出た。
驚いたが、不思議と落ち着いている。

隣にいた女の子が微笑んで話しかけてくる。

Hi! I like your shirt!」

Oh, thank you! I got it from a small shop downtown.」

話が、どんどん続いていく。
“訳さずに”、そのまま言葉が浮かび、やりとりが生まれる。

ゆずは、自分が英語のままで考え、英語のままで感じていることに気づいた。

“あれ? 日本語が……ない?”

でも、不安ではなかった。
その代わりに、英語が“音”と“気持ち”と“場面”として、自然につながっている。

まるで、魔法みたいだった。

―――

朝、ゆずは目を覚ました。
天井を見つめながら、ぼんやりと考える。

……いまの、夢? でも……全部英語だった……」

心の中に、ほんのり温かいものが残っていた。
まるで、言葉じゃない“何か”が、ゆずの中にしみこんだような感覚。

その日、学校で。
アキ先生にその話をすると、彼は目を細めてこう言った。

「それはきっと、“英語が自分の中に根づきはじめた”証拠だね」

「根づく……?」

「うん。英語を勉強する、覚える、訳す、って段階を超えて、
“英語で感じる”ことが当たり前になってきたんだ。
夢の中では、自分にウソがつけないからね」

ゆずは、そっと笑った。

「なんだか……ようやく“つながった”気がします。私と、英語と」

アキ先生もうなずく。

「それはね、“訳さない世界”に入った人だけが味わえる体験だよ。もう、ゆずはそこにいるんだ」

——そう。
それはもう「学ぶ」英語ではなかった。

使える英語
でも、それ以上に、

感じられる英語

になっていた。(つづく)

 

次回 最終話「魔法の旅のつづき」乞うご期待!

 

 

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ゆずと英語の魔法 第10話「英語の感覚で考えるって?」

あき先生

ゆずと英語の魔法 第10話「英語の感覚で考えるって?」

夕暮れの図書室。窓から差し込むオレンジの光が、ゆずのノートを照らしていた。

英語の勉強にもずいぶん慣れてきた。
最近では、スラッシュで読むのも、音でリズムをつかむのも少しずつ自然になってきている。

でも——

「まだ、なんとなく“訳すクセ”が抜けないな…」
ゆずはそうつぶやいた。

そこへ静かに現れたのは、アキ先生。図書室でも、ゆずのことはよく気にかけてくれる。

「悩んでるようだね。何かあった?」

「はい…。英語を英語のまま理解しようとがんばってるんですけど、どうしても日本語を心の中で挟んじゃって……」

アキ先生は少しうなずいて、ゆずの前に椅子を引いた。

「うん、それは自然なことだよ。僕たちは長い間“訳してから理解する”ってやり方をしてきたからね。でも、そろそろ“別のモード”に入ってもいいかもしれない」

「別のモード…ですか?」

「たとえば、“Apple”って聞いたらどう思う?」

「え? 赤いりんごが、ふわっと浮かびます」

「そう、それでいいんだ。“日本語に変換せずに”イメージでとらえる。
英語を聞いたときに、日本語じゃなく“絵”や“感情”で理解するモード——それが“英語の感覚で考える”ってことなんだよ」

「へぇ……なんか、英語で“感じる”ってことですか?」

「その通り。たとえば “I’m excited.” と聞いたとき、“私は興奮しています”って訳さなくても、
ワクワクする気持ちがそのまま伝わるようになる。
これは、スポーツで言えば“考えなくても体が動く”ような感覚に近いかもしれないね」

「なるほど… それって、ちょっと未来の私みたいでワクワクします!」

アキ先生はにっこりとうなずいた。

「無理に訳そうとせず、感覚で受け取る。それが“直読直解”や“直聞直解”の最終ステージだ。
少しずつでいい。君はもう、そこに近づいてるよ」

ゆずはそっとノートを閉じた。
その瞬間、彼女の心にふわっと「英語の世界」が広がった気がした。

──言葉を超えて、“感覚”で伝わる英語。
ゆずの英語は、訳す世界から、感じる世界へとシフトしていく。(つづく)

 

※次回 第11話「英語で夢を見た日」乞うご期待!

 

 

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